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提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (178 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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非小細胞肺癌の気管支スリーブ肺葉切除術を受けた合計363人の患者のうち開胸術(n = 251)および胸腔鏡下手術(n = 112)を調査、傾向スコ
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 アマッチングによって開胸症例116名、胸腔鏡症例72例で比較、マッチング後の胸腔鏡下手術群は患者は開胸術と比較して、術中の出血が少なく
(P <.01)、術後の入院期間/集中治療室滞在期間が短く(P <.01)/(P = .03)、胸腔チューブドレナージの留置期間(P <.01)が短かった。
後等のアウトカム
手術時間、合併症率、30〜90日の死亡率、全生存期間と無増悪生存期間は同等であった。(参考文献3)

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

2012年の胸部外科学会学術調査では気管支形成術は429件(全体の1.2%)で、胸腔鏡下に施行された症例は29件(6.8%)であった。2017年の同
調査では気管支形成術は496件(全体の1.1%)と変わらないが、胸腔鏡下に施行された症例は71件(約14.3%)と増加していた。2022年の調査結
果は公開されていないものの、2012年から2017年の5年間で約40件増加していたことから、現在では100件前後の実施を見込む。

見直し前の症例数(人)

約100名

見直し後の症例数(人)

変わらず

見直し前の回数(回)

1回

見直し後の回数(回)

変わらず

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

気管支形成術は、日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン Ⅱ.非小細胞肺癌(NSCLC)1外
科治療 1-4 気管支・肺動脈形成 CQ12.肺全摘を避けて,気管支・肺動脈形成を行うべ
きか?という問いに対して、100%推奨「肺全摘を避けて,気管支・肺動脈形成を行うよう
推奨する」と記載されている。ランダム化比較試験はないが,腫瘍が中枢進展している
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す か,肺門リンパ節転移のために肺全摘または気管支・肺動脈形成術が可能な場合,気管
る。)
支・肺動脈形成術後の局所コントロールは肺全摘と同等であり,かつ予後はⅠ期・Ⅱ期お
よび,pN0,N1症例について肺全摘術と同等か,それ以上という根拠に基づく〔推奨の強
さ:1,エビデンスの強さ:C,合意率:100%〕(参考文献1)。胸腔鏡下に実施した場合
は開胸よりも低侵襲と考えられることから、今後当術式のガイドラインへの掲載も予想さ
れる。

胸腔鏡下での気管支形成術は難易度の高い手術手技であり、日本呼吸器外科学会「胸腔鏡安全技術認定制度」により技術認定された医師によって
行うことが望まれる。

1) 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるものまたは区域切除で内視鏡手術用支援機器を用いる場合)を術者として50例以上実施
した経験を有する常勤の医師が1名以上配置されていること。
2) 当該保険医療機関で肺悪性腫瘍に係る手術を年間50例以上施行しており、そのうち胸腔鏡下手術を年間20件以上、実施していること。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 3) 呼吸器外科及び麻酔科を標榜している保険医療機関であること。
4) 5年以上の呼吸器外科の経験及び専門的知識を有する医師が2名以上配置されており、そのうち1名は10年以上の呼吸器外科の経験を有している
制等)
こと。
5) 緊急手術が実施可能な体制が整備されていること。
人的配置の要件
1)呼吸器外科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士が連携して円滑に手術を実施できる体制を取っていること。
(医師、看護師等の職種や人数、専門 2)手術執刀医は呼吸器外科専門医を取得していること。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

胸腔鏡手術と開胸手術とを比較した気管支形成術についての6つの研究のメタアナリシス(胸腔鏡手術281症例と開胸手術369症例)において、2つ
のグループ間で、術中出血量、胸腔ドレーン留置期間、術後合併症発生率、および死亡率に有意差は認められなかった(参考文献5:J Thorac
Dis. 2020)。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

胸腔鏡手術による気管支形成術は高難易度技術であるため、習熟した技術を有する専門医が十分なインフォームドコンセントを実施した後に施行
すること。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後

81,420
121,535

その根拠

外保連続試案に基づく点数と技術的難易度

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

特になし

区分をリストから選択

番号
技術名
具体的な内容
増(+)

プラスマイナス
⑩予想影響額

予想影響額(円)

4,011万円

その根拠

年間100件程度、胸腔鏡下に気管支形成を伴う肺切除術が実施されている。差額40,115点分から推定される。

備考

2017年胸部外科学会実態調査

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

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