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提案書09(1601頁~1801頁)医療技術評価・再評価提案書 (143 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

対象患者:股関節唇縫合術(関節鏡下)を施行する患者で、cam変形を主とする骨形態異常を有する症例を対象とする。
医療技術の内容:股関節唇縫合術を施行した後に専用の医療機器(アブレーダーバー)にて関節鏡下に骨軟骨形成術を行う。その際、X線投資に
て骨切除量、切除部位などを認識・確認し施行する。点数や算定の留意事項として、償還されない医療機器(アブレーダーバー)20,000円、追加
人員として追加所要時間(約1時間)に対して技術度区分B, C, Dの医師をそれぞれ1名、放射線技師1名の人件費が
24,240+55,840+90,870+2,740=173,690円 合計193,690円の追加医療費が想定される。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

080-6

医療技術名

股関節唇縫合術(関節鏡下)における関節鏡下骨軟骨形成加算
メタ解析により複数の患者立脚型アウトカムにおいて術後の有意な改善を認め、特にHip Outcome Score sports scaleでは平均41.7 pointsと最
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 も高い改善を示している。術後のスポーツ復帰率は87.7%(95%CI: 82.4-92.9%)でありQOLの改善に大きく寄与していると言える。(参考文献
後等のアウトカム
5)

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

社会医療診療行為別統計令和3年6月審査分における1ヶ月間の関節鏡下股関節唇縫合術は36例であり、1年間で432例と推計する。このうち、およ
そ7割に当たる症例では骨軟骨形成術の追加が行われているものと推察し、1年間でおよそ300例程度の症例で骨軟骨形成術の追加が行われている
ものと推計する。症例数自体は加算点数の見直し前後で大きくは増減しないものと推察する。

見直し前の症例数(人)

300

見直し後の症例数(人)

300

見直し前の回数(回)

300

見直し後の回数(回)

300

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

記載内容概要:変形性股関節症診療ガイドライン2016年版において、複数のエビデンスに
基づき「Cam変形は変形性股関節症発生の危険因子である」という推奨文が記載されてお
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
り、cam変形に対する骨軟骨形成の重要性が示唆されている。FAIに対する手術療法として
る。)
寛骨臼縁切除、関節唇処置、および大腿骨頸部移行部の形成術が行われ、短中期的な臨床
成績の改善には有用である。

日本股関節学会が厳正な審査を行った上で股関節鏡視下手術技術認定医の資格を授与し、2022年度現在で約30名が取得している。日本股関節学会
教育研修セミナーをはじめ、様々なセミナーを通じて技術習得が行われている。中でも関節鏡下骨軟骨形成術は技術難易度が高く、技術認定医が
中心となって行う専門性の高い手技である。

・整形外科を標榜している。
施設の要件
・透視下に処置が実施できる設備があること。
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 ・専用の下肢牽引システムを有すること。
制等)
・術後リハビリテーションを行える設備及びスタッフを要すること。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 医師3名、看護師2名、放射線技師1名。主たる実施医師は、股関節鏡視下手術技術認定医の資格を有する整形外科専門医であることが望ましい。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 主たる実施医師は股関節鏡視下手術技術認定医の資格を有することが望ましい。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

合併症として異所性骨化、末梢神経障害、創部感染、皮膚障害、術後骨折などが挙げられており、全体の頻度としては1.7%と報告されている(参
考文献5)。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

倫理性・社会的妥当性に問題点は認めない。

⑧点数等見直し
の場合

見直し前
見直し後

鏡視下股関節唇形成44,830点
鏡視下股関節唇形成44,830点+骨軟骨形成加算(19,300点)=64,130点

その根拠

償還されない医療機器(アブレーダーバー)20,000円、追加人員として追加所要時間(約1時間)に対して技術度区分B, C, Dの医師をそれぞれ1
名、放射線技師1名の人件費が24,240+55,840+90,870+2,740=173,690円 合計193,690円の追加医療費が想定される。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

特になし

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

57,900,000円

その根拠

・予想される当該技術加算点数に係る年間医療費増加分=新たな診療報酬加算点数を加味した手術点数(19,300点*)×10円/点×予想される年
間対象患者増加数(300人)×一人当たりの年間実施回数(1回)=57,900,000円

備考

*償還されない医療機器(アブレーダーバー)20,000円、追加人員として追加所要時間(約1時間)に対して技術度区分B, C, Dの医師をそれぞれ
1名、放射線技師1名の人件費が24,240+55,840+90,870+2,740=173,690円 合計193,690円として19,300点の加算

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

アブレーダーバー(ハイヴィジビリティ

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本整形外科学会

⑭参考文献1

ヒップ

アブレーダー 5.5mm)1個、術中X線透視(放射線技師1名)

1)名称

変形性股関節症診療ガイドライン2016年版

2)著者

変形性股関節症診療ガイドライン策定委員会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

P213-P223

4)概要

複数のエビデンスに基づき「Cam変形は変形性股関節症発生の危険因子である」という推奨文が記載されており、cam変形に対する骨軟骨形成の重
要性が示唆されている。FAIに対する手術療法として寛骨臼縁切除、関節唇処置、および大腿骨頸部移行部の形成術が行われ、短中期的な臨床成
績の改善には有用である。

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