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提案書02(0203頁~0398頁)医療技術評価・再評価提案書 (56 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑭その他

今回に申請に至る経緯を説明する。日本肝臓学会は、肝疾患におけるサルコペニア診療の重要性に着目し、2016年に作製し
た「肝疾患におけるサルコペニア判定基準」において、サルコペニア対策における運動療法・栄養療法について言及した。
また2020年に改定された「肝硬変診療ガイドライン2020」において、サルコペニア対策における運動療法・栄養療法に関す
るClinical Questionが設定され、肝臓リハの実践に対するさらなる要求が高まった。これらを受け、日本肝臓学会は2022
年10月に「肝臓リハビリテーションワーキンググループ(14大学9国立大学2国立研究機関、26名の委員より構成)」を立ち
上げ、「肝臓リハビリテーション指針」をHPに公開するに至った。慢性肝疾患、特に肝硬変は進行性疾患であり、合併症の
予防や治療を行わないと生命予後は不良である。サルコペニアは慢性肝疾患の最大の合併症であり、患者の予後やADL・QOL
の低下に直結するため、早期から適切な肝臓リハを行う医学的および社会的意義は大きい。すなわち肝臓リハは、患者個人
のADL・QOLや生命予後を改善するとともに、活力のある健康長寿社会を実現するための質の高い医療であることを申し添え
る。
肝疾患は日本の国民病と言われている。抗ウイルス治療の進歩や肝炎対策基本法の整備によって、ウイルス性肝炎の診療は
大きく進んだが、進行した肝硬変や肝癌患者はその恩恵を受けることはできない。また、これも国民的な健康問題である脂
肪性肝疾患やアルコールに起因する非ウイルス性の肝硬変や肝癌が増加している。したがって、肝不全への進展を抑制し、
肝癌患者の適切な治療を可能とする肝臓リハは、国民の医療ニーズに大きく応える方策である。

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本リハビリテーション医学会

⑯参考文献1

⑯参考文献2

⑯参考文献3

⑯参考文献4

⑯参考文献5

1)名称

Evidence-based clinical practice guidelines for liver cirrhosis 2020.

2)著者

Yoshiji H, Nagoshi S, Akahane T, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Hepatol Res. 2021;51(7):725-749.

4)概要

肝硬変診療に関する日本肝臓学会と日本消化器病学会の合同ガイドラインである。CQ4-19において、肝硬変に合併するサル
コペニアに有用な治療法として運動療法と栄養療法が提案されている。

1)名称

Exercise in cirrhosis: Translating evidence and experience to practice.

2)著者

Tandon P, Ismond KP, Riess K, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

J Hepatol. 2018;69(5):1164-1177.

4)概要

欧州肝臓学会(EASL)が公開した肝硬変のサルコペニアに対する総説である。運動療法の有用性を示すエビデンスが多数紹
介されており、肝硬変患者の日常診療には運動処方が含まれるべきであると結論付けられている。

1)名称

Malnutrition, Frailty, and Sarcopenia in Patients With Cirrhosis: 2021 Practice Guidance by the AASLD

2)著者

Lai JC, Tandon P, Bernal W, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Hepatology. 2021;74(3):1611-1644.

4)概要

米国肝臓学会(AASLD)が発表したサルコペニア管理に関するガイドラインである。現在、肝硬変患者においてはサルコペ
ニア・フレイルが高頻度にみられ生命予後に深く関与していること、また同病態に対する栄養療法と運動療法の意義と有用
性が記載されている。

1)名称

A North American Expert Opinion Statement on Sarcopenia in Liver Transplantation.

2)著者

Carey EJ, Lai JC, Sonnenday C, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Hepatology. 2019;70(5):1816-1829.

4)概要

米国肝臓学会(AASLD)が発表した肝移植患者におけるサルコペニア対策のexpert opinion statementである。肝移植を検
討するすべての肝硬変患者においてサルコペニアを評価し、運動療法によって積極的に介入することの有用性が記載されて
いる。

1)名称

特になし

2)著者

特になし

3)雑誌名、年、月、号、ページ

特になし

4)概要

特になし

※⑮については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等
の関連団体や研究者等の名称を記載すること。

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