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提案書02(0203頁~0398頁)医療技術評価・再評価提案書 (105 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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研究結果

造血幹細胞移植造血幹細胞移植後の剖検で確定診断されたトキソプラズマ症患者における遺伝子検査と病理免疫組織化学染
色法を比較した検討では、陽性率は75%と65%で、両者併用により感度は90%とすることができたと報告されている(参考
文献1: Held TK, et al.)。後天性免疫不全症患者におけるトキソプラズマ症では遺伝子検査の感度は末梢血で86.6%、脳
脊髄液で60%と高い結果が報告されている(参考文献2:Foudrinier F, et al.)
4

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

ガイドライン等での位置づけ

日本造血細胞移植学会ガイドラインにて「PCRによるトキソプラズ
マDNA検出:トキソプラズマ診断において、もっとも有用かつ現実
的な 方法と考えられる。本邦においてはトキソプラズマDNA PCR
は未承認検査であり各検査会社でも取り扱っておらず、一部の施
設でのみ行われており、その普及が待たれる。」

年間対象患者数(人)

造血幹細胞移植:1)13-104例発症例、2)抗体陽性で再活性化モニタリング対象約800例、3)先天性感染症関連:初感染
疑い妊婦1,000(~10,000)例、先天性感染症児 130(~1,300)例、4)後天性免疫不全症および臓器移植症例。

国内年間実施回数(回)

約10,000回

⑥普及性

※患者数及び実施回数の推定根拠等

造血幹細胞移植は2017年度5794件実施されており、我が国の既報にある発症率0,22-1.8%抗体陽性率14%から約13-104例の発
症例、また移植後の再活性化モニタリングの対象は約800例と想定した(参考文献3:Sumi M, et al. 参考文献4: Matsuo
Y, et al.)。また妊婦のT. gondii初感染および先天性感染症児の数は我が国の「トキソプラズマ妊娠管理マニュアル(母
子感染に対する母子保健体制構築と医療技術開発のための研究)」を参照した。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

日本造血細胞移植学会ガイドライン「造血細胞移植後の感染管理(第4版)」(参考文献5)では「PCRによるトキソプラズ
マDNA検出もっとも有用かつ現実的な方法と考えられる。」「本邦においてはトキソプラズマDNA PCRは未承認検査であり各
検査会社でも取り扱っておらず、一部の施設でのみ行われており、その普及が待たれる。」と記載されており、早期の我が
国での承認が待たれている。しかし同時に「その手法は標準化されておらず、感度は報告によって異なる。」とされてお
り、標準化された体外診断薬の開発が必要となる。それにより施設内あるいは受託検査会社にて検査が普遍的な方法により
可能となる。このような中、我が国からは新たなトキソプラズマ症に関する複数の論文が発信されており、その診療体制の
構築は急務である(Amikura T, et al. Transplant Infect Dis 2020 Nov 10;e13506. Mori T, et al. Int J Hematol.
2020 ;112(5):755-6.)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)

施設の要件は設けない

人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)

人的配置の要件は設けない

その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

検査実施時には日本造血細胞移植学会造血細胞移植ガイドライン「造血細胞移植後の感染管理(第4版)」、「トキソプラ
ズマ妊娠管理マニュアル」を遵守する

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

体外診断薬であり安全性・副作用のリスクは該当項目なし。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

トキソプラズマ症という後遺症や生命を脅かす危険性のある疾患の診断において有用であることがわかっている遺伝子検査
法が我が国で検査体制が確立していないことは多くの患者の不利益となっており、倫理的・社会的に速やかにこの状況の改
善が求められる。



妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い

点数(1点10円)

450

その根拠

トキソプラズマ同様に潜伏感染からの再活性化を起こすサイトメガロウイルスの核酸定量(D023微生物核酸同定・定量検
査)と同等の検査法と考えられるため

区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

区分をリストから選択

番号
技術名

該当項目なし

具体的な内容

現時点ではトキソプラズマ症遺伝子検査に準じたものがないため、該当項目なし

増(+)

プラスマイナス

予想影響額



該当項目なし

予想影響額(円)

約45,000,000

その根拠

予想年間実施回数が約10000回(⑥参照)であり、⑩で示した点数となった場合の額を算出した。

備考



⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
他に該当するものはなし
(主なものを記載する)

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