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参考資料2_看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標 (32 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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疾患・障害による生活上の支障を見極め、慢性・不可逆的疾患・障害をもつ人が疾患・障害とともに
生きるために、本人と家族の適切なセルフケアを支え、社会資源を活用しながら療養生活の質を高め
る援助を行うことができる能力のことである。

卒業時の到達目標として次の  つを提示した。
 慢性・不可逆的健康課題を有する患者と家族の状態をアセスメントし、疾病・障害に対応する看護
援助方法について指導のもと実施できる。
 慢性・不可逆的健康課題を有する患者と家族を理解し、療養生活の看護援助方法について指導のも
と実施できる。
 慢性・不可逆的健康課題を有する患者と家族が地域で生活できるよう、社会資源の活用方法につい
て説明できる。
これらの到達目標を達成するために必要な教育内容 例 を以下に示す。

① 慢性・不可逆的健康課題を有する患者・家族の理解と疾病管理
慢性疾患や非感染性疾患 1&'V 、認知症など、慢性・不可逆的に進行する疾患、および障害をもつ
人がおり、社会の高齢化に伴いその数は増加する。そのような人を支援するためには、慢性・不可逆
的健康課題を引き起こす疾患・障害の病態・症状と必要な治療、対応、健康のセルフマネジメントに
ついて理解する必要がある。

② 慢性・不可逆的健康課題を有する患者・家族の理解と療養生活支援
慢性・不可逆的健康課題をもつ人は、疾患の発症から治療期を経て、自己の生活を病とともに生き
る営みへ移行させる。そして、疾病の増悪を予防し健康生活を維持するためには医学的管理を受け、
自己の生活を豊かに営むセルフケアを確立し、発達し続ける必要があり、その過程に看護職は密接に
関わっている。
これらの人々について、
これまでの本人と家族の生きてきた体験や生活の理解のもと、
多様な地域文化の中で主体的に生活する人としてストレングスの視点から総合的に、とらえる能力が
必要である。

③慢性・不可逆的健康課題を有する患者と家族の生活を支える社会資源の活用
慢性・不可逆的健康課題をもつ人の地域での生活を支えるためには、制度や社会資源を活用しなが
ら、本人と家族を支援するための看護の知識を修得する必要がある。また、他(多)職種連携による
支援を行うための協働の知識が求められる。

エンドオブライフにある人と家族を援助する能力
「エンドオブライフにある人と家族を援助する能力」とは、人間の生理的機能が不可逆的な状態に陥
る疾病や病態にある人とその家族に対して看護を提供する能力のことである。人の死と死にゆく人とそ
の人を愛する人の全人的苦痛を軽減・緩和し、死にゆく人の意思を支え、その人らしくあることを援助
する方法を修得することが求められている。
死が間近に迫っている人は、当事者のみならず近い関係にある多くの人を悲しみに陥らせる。とりわ
け家族に与える影響は大きい。「エンドオブライフにある人と家族を援助する能力」は、人間の生理的
機能が不可逆的な状態に陥る疾病や病態の終末像の理解、人の死と死にゆく人を愛する人の心の理解、

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