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参考資料2_看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標 (16 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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観を醸成する。文化の影響を受けて人々は健康、病気、それに伴う検査や治療等に個別の反応をする
ことになる。人間理解を確かなものにするためには、共感的な理解をする方法を修得するとともに幅
広い人間や健康の捉え方を知り、固定した価値観に偏らないようにすることが必要となる。

 人間を生物学的に理解しアセスメントに活かす基本能力
対象となる人を全人的に捉える基本能力の一つとして、生存に関わる人間の機能を説明でき、心身
の異常とそれに伴う心身の反応を説明できるとともに、治療等に伴う心身の反応を説明できる能力が
必要である。

卒業時の到達目標として次の  つを提示した。
()生物学的存在としての人間の正常な構造と機能を説明できる。
()人間の心身の変調とそれに伴う心身の反応を説明できる。
これらの到達目標を達成するために必要な教育内容 例 を以下に示す。

① 人間の心身のしくみと働き
人間の心身は、それぞれの機能が連動し総合的にシステムとして働いており、生活や行動とも密接
につながっている。看護職者には、生存に関わる人間の心身の状態を的確にアセスメントし最適なケ
アを提供するために、心身のしくみと働きを熟知し、それらが正常に機能していることを判断できる
能力が求められる。人間の心身のしくみと働きについての知識は、生活者としての人間を理解する時
に結び付けて考えられることが重要である。そのため基本的な能力として人間の心身のしくみと働き、
正常な状態、生命現象と成長発達・老化、死について知識を修得、理解し説明できる能力が必要であ
る。

② 人間の心身の変調とそれに伴う心身の反応
看護の対象の多くは何らかの健康課題に直面しており、心身の機能が変調をきたし、看護援助を 
必要としている。心身の状態を正しくとらえるには、人間の身体の構造や機能の異常に関する知識を
十分持つ必要がある。正常な人間のしくみと働きを理解したうえで、その変調によって起こる主要な
疾病の病因と病態およびその治療、発現する症状などを知り、人間がどのように心身の変調やそれに
伴う治療に対して反応するかを予見できる能力が求められる。そのための基本能力として、生命を 
維持し、侵襲から守る働きの変調と人間の反応、脳・神経の働きの変調と人間の反応、食物を消化・
吸収し、内部環境を維持する働きの変調と人間の反応、活動を維持する働きの変調と人間の反応、 
生命の連続性を維持する働きの変調と人間の反応、細胞の作り変え・遺伝性の形態機能の変調と人間
の反応などについて、理解することが求められる。
人間の身体機能は統合的なシステムであるが、身体と分離することなく心の働きを理解することで
看護職は、人間をより総合的にとらえることができる。心の問題と身体の問題は相即不離であり、相
互に影響し合っている。心の問題をとらえるための看護の知識は精神機能としてⅢ群の「.健康レ
ベルを成長発達に応じてアセスメントする能力」で網羅することとする。

 人間を生活者として理解しアセスメントに活かす基本能力
看護は対象である人間を生物体としてのあり方と生活者としてのあり方の統一体として、全人的に

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