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資料1_具体的研究事項と横断的事項について (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33521.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第11回 6/9)《厚生労働省》
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(9)各柱にまたがる「横断的事項」について
これまでの成果の例

④リキッドバイオプシーに係る研究

AMED評価

• 早期診断、周術期微小残存腫瘍(MRD)検出、進行がんでの遺伝子スクリーニング・治療効果モニタリングなど精力的に進められた。

後半5年間での成果の例

• がん特異的エクソソームの捕捉による新規体液診断の実用化研究(国立がん研究センター/東京医科大学 落谷 孝広)
本研究は、腫瘍組織が体液中に発した“メッセージ”を捉えることで、がんの存在を検出するリキッドバイオプシーの開発に取り組んだ。
メッセージとは細胞が分泌するエクソソームという微粒子のことであり、多様な分子の複合体であるエクソソームに含まれる分子を明
らかにすることで、バイオマーカー開発を行った。代表的な成果として、膵臓がん患者の血中に含まれるエクソソーム内包分子を解析
し、新たなバイオマーカーの開発に成功した。現在、開発したバイオマーカーを用いた検査サービス(研究用)をベンチャー企業におい
て提供し、膵臓がんの早期発見の手助けを目指している。
• 新規マーカーによる悪性中皮腫の精密・早期診断の開発(神奈川県立がんセンター 今井 浩三)
悪性中皮腫は難治性悪性腫瘍として大きな社会問題となっている疾患である。本研究は、既存のマーカーよりも優れた感度と特異性を
持つ中皮腫特異的モノクローナル抗体(SKM9-2)の開発に成功し、その認識抗原として未知の新規中皮腫マーカー(シアル化HEG1)
を発見した。SKM9-2は国内外での販売が開始され、中皮腫の検査薬として世界的に使用されることが期待されている。加えて、
SKM9-2のヒト化と国内外の特許の成立、製薬企業への導出にも成功した。中皮腫診療に関する研究成果の実用化面で大きな成果を得
ることができた。
• 超高感度尿中微量蛋白質解析技術を用いた肺癌と膵臓癌の新規早期診断マーカー開発研究(宮崎大学 中里 雅光)
尿由来のバイオマーカーによる癌の診断は、非侵襲性と簡敏さから健診受診率の大幅な向上が期待できる。癌細胞の過剰な酵素活性は
細胞膜蛋白質の断片化を生じる。研究代表者は、尿中に排泄される蛋白質断片を網羅的に解析する技術を開発し、早期癌の診断に有用
な尿中蛋白質断片を同定した(肺腺癌7種、肺扁平上皮癌1種、小細胞肺癌1種、膵臓癌2種)。10 mlの尿で早期癌を検出する技術を企
業へ導出し、免疫学的測定法を開発している。癌検診コホートを用いて、新規の癌診断法の有用性を実証した。がん検診への導入、癌
ハイリスク患者の早期診断、他癌での新規マーカー探索、ならびにEIAと質量解析の併用による新たな癌診断が期待できる。
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