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(1)参考資料 (94 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20230529/zaiseia20230529.html
出典情報 財政制度等審議会 歴史的転機における財政(5/29)《財務省》
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公的補助のあり方

資料Ⅲ-5-3

○ 補助金等の公的支援には非効率性等の弊害も指摘されており、支援対象の選定に当たって「目利き」が重要。
○ 支援対象の選定においては、民間ベンチャーキャピタル(VC)等による評価・知見を活用する一方で、VCではなくスタートアップ
企業を支援する仕組みとするべき。
<スタートアップへの公的支援に関する指摘>
◆岡室博之(2023)「どのような創業支援が望ましいのか? 国の視点・
自治体の視点」(『経済セミナー』2023年2・3月号,日本評論社)
補助金事業では基本的に、応募に基づく競争的選抜が行われているが、それは政策
効果を上げるために成功しそうな企業を選ぶ(”picking winners”)戦略につながりや
すい。そのような企業は公的支援がなくても成功する可能性が高く、そのような起業を
支援するのは最初から見込みのない起業を支援するのと同じくらい非効率である。

<VCによる選定を要件とした補助事業の例>

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるSTS
(Seed-stage Technology-based Startups)事業(令和4年度実施)

したがって、補助金など公的な資金支援は、技術的・経営的に成功の見込みはある
が、自己資金だけではうまく行きそうにない企業(創業者)を対象にすることが望まし
いが、その選定は容易ではない。事業・技術内容の目利きが重要なので、政府や公的
機関に任せるのではなく、官民連携(さらに産学官連携)による専門家の評価・目利
きを活用すべきである。直接の公的補助金よりも(エンジェル税制やVC支援のように)
民間の資金提供者のインセンティブを高める政策や、創業(希望)者と民間の支援事
業者をつなぐ政策が必要である。

◆財審・財政投融資分科会(2019年3月7日)

※産業投資の管理運営等(リスクマネー供給を巡る状況と課題)の議論において

○朝倉祐介氏(シニフィアン(株)共同代表)
(略)最後に留意点です。今、積極的な目利きを担わないと申しましたが、具体的には
VC等々に対する資金の拠出、ファンド・オブ・ファンズ、あるいはVCを含めた民間の投資
家が投資した際に、その資金にマッチングするようなマッチング拠出型の投資、こういった
ことを行うことによって、目利き力を伴わず、民間の知見を活用してリスクマネーの提供が
できるのではないかということが1つ。
あと、もう一つ最後に注意すべきは、資金のばらまきを避けるということですね。スタート
アップの世界、リスクマネーの増加が単純に成功数の増加に直結するわけではないと
思っています。経営基盤が脆弱なところにいたずらに資金を増やしても、かえってエコシス
テムを不健全化するだけですので、そこはあくまで本当に良い先なのかといったところは、民
間の知見を活用しつつ、規律の効いた資金の活用をすべきではないかということが私ども
の考えていることでございます。

・NEDOがシード期の研究開発型スタートアップを支援する国内外のVC等
を公募、認定(令和5年3月時点43社)
・認定VC等により出資を受けるスタートアップの中から、NEDO審査を経
た企業に対して、残りの事業費を補助。