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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (95 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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[成人を含めた研究]
大野らは JMDC 社のデータベースを用い, 2013 年 1 月~2018 年 12 月にかけて 0~65 歳の急性下痢症に対す
る抗菌薬使用状況を調査した 10. 482,484 名の急性下痢症に罹患した外来患者に関するレセプトが対象とさ
れ、そのうち 205,718 名(42.6%)が成人(18~65 歳)だった。研究期間の 6 年間において、全対象者の 94.6%が
非細菌性の下痢症であったが、抗菌薬処方率は成人男性で 46.5%、成人女性で 40.8%だった(表 87)。経年
変化をみると、抗菌薬処方率は 2015 年とピークに減少傾向に転じていた。抗菌薬処方内容としてはホスホマ
イシン(37.7%)が最も多く、次いでフルオロキノロン(30.5%)が多かった。成人に限るとフルオロキノロンが
最も多く(50.3%)処方されていた。なお、小児(0~17 歳)への抗菌薬処方率は、男児 30.5%と女児 30.4%であ
り、過去の大久保らの調査7と大差なかった。
表 87 細菌性と非細菌性下痢症における男女別年齢グループ別受診件数と抗菌薬処方率(2013-2018 年)
年齢グループ
細菌性下痢症



受診数

抗菌薬処方率



7,291

0.803



5,177

0.805



8,814

0.796



4,547

0.778

25,829

0.797



148,732

0.305



115,566

0.304



115,093

0.465



77,264

0.408

456,655

0.362

小児(0-17 歳)

成人(18–65 歳)

非細菌性下痢症

小児(0-17 歳)

また、椙山らも急性下痢症に対する経口抗菌薬処方の状況についてについて診療データベースを利用した
分析ツール(MDV analyzer; メディカル・データ・ビジョン(株)、東京)を用いて調査した 11。2013 年 1
月~2019 年 12 月にかけて MDV analyzer に登録されている日本全国の診断群分類別包括支払制度病院を対
象に調査され、経年的に処方患者数が減少していたことが大野らと同様に示された。抗菌薬系統別でみる
と、2013 年と比較して 2019 年に第三世代セファロスポリン系は 58.1%、マクロライド系は 46.8%、フルオ
ロキノロン系は 36.3%の削減がわかったが、依然としてフルオロキノロン系およびマクロライド系の使用量
が少なくはなく AMR の観点からも ASP を進める必要性を指摘している。

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