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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (64 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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ⅳ. Enterococcus spp.

Enterococcus spp.では犬猫ともに E. faecalis が最も多く、次いで E. faecium が多く収集された。
2020 年は犬及び猫由来株では TC の耐性率が最も高く(犬 64.9%、猫 68.2%)、次いで EM(犬 45.0%、
猫 48.0%)であり、犬由来株の ABPC 及び犬猫由来株の CP に対する耐性率は 20%未満であった。ヒ
トの医療で重要な抗菌剤 CPFX については、犬由来株及び猫由来株で 25.1%及び 40.5%の耐性が認め
られた。2019 年から供試薬剤として VCM の測定を開始したが、犬及び猫由来株ともに耐性株は 0.0%
であった。
表 66 疾病にり患した犬及び猫由来の Enterococcus spp.の耐性率(%)
薬剤*

BP

ABPC

16†

GM

32§

TC

16†

CP

32†

EM

8†

CPFX

4†

VCM

32†

検査株数(n)

動物種

2017 年

2018 年

2019 年

2020 年



26.7

20.5

20.0

14.6



17.3

31.6

33.0

26.4



22.9

15.4

25.2

25.7



19.4

24.6

25.2

25.7



65.6

67.9

68.9

64.9



70.4

73.7

64.1

68.2



20.6

14.1

18.5

14.6



20.4

15.8

8.7

18.2



61.8

39.7

43.0

45.0



41.8

54.4

39.8

48.0



42.7

28.2

31.1

25.1



34.7

49.1

43.7

40.5



0.0

0.0



0.0

0.0



131

78

135

171



98

57

103

148

BP の単位は μg/ml。

AZM についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。†CLSI に規定された BP。
§
GM は EUCAST でも設定されていないことから JVARM の値(平成 14 年度に得られた二峰性を示す MIC 分布の中間点)を
用いた。

ロ.健康な犬猫由来細菌

健康な犬猫からの菌株の収集にあたっては、都道府県別の動物診療施設(小動物・その他)の開設
届出数に基づいて菌株数を割り当て、公益社団法人日本獣医師会の協力を得て、全国の動物病院から
収集した。動物病院に健康診断やワクチン接種のために訪れた健康な犬及び猫から直腸スワブ検体を
採取し、大腸菌及び Enterococcus spp.を分離、同定し、薬剤感受性試験に供した。
ⅰ. Escherichia coli
2020 年の健康な犬及び猫由来株では、これまでの調査と同様に ABPC 及び NA に対する耐性率が高
い傾向を示した。犬由来株の ABPC 及び NA の耐性率以外の耐性率はいずれも 20%未満であった。ヒ
トの医療で重要な抗菌剤については、犬及び猫由来株で、CTX に対しては 13.0%及び 2.7%、CPFX に
対しては 12.3%及び 4.8%の耐性率であり、MEPM 及び CL に対する耐性率はいずれも 0.0%であっ
た。耐性株が存在した各薬剤について同年に収集された疾病にり患した犬猫由来の大腸菌と比較する
とすべての薬剤で健康な犬猫由来の方が低い耐性率を示した。

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