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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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ⅲ. Neisseria gonorrhoeae
データ元:国立感染症研究所
2015 年~2020 年に分離された淋菌(それぞれ 618 株、675 株、982 株、1167 株、1023 株、825 株)
の薬剤感受性試験(EUCAST の判定基準に基づく;表 30 参照)の結果、セフトリアキソン(CTRX) 耐
性率は 2015 年以降、6.2%、4.3%、4.3%、3.5%、5.4%、2.7%であった。CLSI の基準でも耐性を判定
される MIC 0.5μg/ml 以上の株についても 2015 年以降 0.6%、0.4%、0.5%、0.3%、0.4%存在したが、
2020 年は存在しなかった。スペクチノマイシン(SPCM) 耐性株は存在しなかった。一方で、アジスロ
マイ シン (AZM) 耐 性率 は 2015 年では 13.0% で あっ たも の が、 2016 年 以降 2020 年 まで は
33%~43.9%の間で推移している。
CLSI では耐性基準が設定されていないが、23S rRNA 遺伝子変異株の AZM MIC の分布から2μg/ml
以上を示す株を非野生型と称している。参考値ながらも耐性率を調べたところ(参考資料(8)参照)、
2015~2020 年ではそれぞれ 3.2%、4.0%、4.0%、6.3%、7.5%、7.0%の株が2μg/ml 以上を示し、増
加傾向を示した。また、国内の臨床評価からは AZM MIC1μg/ml 以上を示す株は耐性とすることが
妥当と考えられることから、その基準(R:≧1μg/ml)を採用した場合の耐性率は、2015~2020 年で
はそれぞれ、11.0%、9.3%、11.2%、15.9%、14.9%、14.3%が耐性と評価された。他の 3 剤に関しては、
セフィキシム(CFIX)耐性株が約 30~40%、CPFX 耐性株が約 60~80%を占めていた。ベンジルペニ
シリン(PCG)に対しては 80%以上が治療効果を望めない株であった。
表 30 Neisseria gonorrhoeae の耐性率(%)
2015 年

2016 年

2017 年

2018 年

2019 年

2020 年

(618 株)

(675 株)

(982 株)

(1167 株)

(1023 株)

(825 株)

CTRX

6.2

4.3

4.3

3.5

5.4

2.7

SPCM

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

AZM

13.0

33.5

42.6

43.9

40.1

40.2

PCG*

38.4 (96.6)

36.3 (96.9)

37.8(99.0)

31.7(82.5)

35.8(88.5)

37.1(98.9)

CFIX

36.2

43.2

31.0

28.4

33.4

33.1

CPFX

79.5

78.0

75.8

66.9

64.6

71.2

感受性・耐性判定は、EUCAST(参考資料8)の基準を用いた。 *括弧内の数字は、耐性と中間耐性の率の和。
EUCAST による耐性判定基準は、次の通り。CTRX(> 0.125 ㎍/mL), SPCM (> 64 ㎍/mL), AZM (>0.5 ㎍/mL),
PCG (> 1 ㎍/mL), CFIX (>0.125 ㎍/mL) CPFX (> 0.06 ㎍/mL)

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