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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (123 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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(8)ヒト及び食品由来の Non-typhoidal Salmonella spp.の薬剤耐性状況の調査
① 概要
食品由来耐性菌については、これまでに多くの地方衛生研究所が食品由来細菌の耐性状況を調査してきた実
績があり、現在、厚生労働科学研究費補助金による食品の安全確保推進研究事業の中で、組織化された複数の
地方衛生研究所が食品由来耐性菌モニタリングを研究として実施している10。統一された方法で全国規模の食
品由来細菌の耐性状況が調査されたのは、本邦で初めてと思われる。さらに、得られたデータは、WHOによっ
て構築されたGLASSにも報告されている。

② 調査方法
全国21地方衛生研究所の協力を得て、これらの地方衛生研究所において収集されているヒト(患者)由来及
び食品由来細菌、特にサルモネラ属菌について、共通のプロトコル、薬剤、器材等を用いて薬剤耐性状況調査
が実施された10。 2015 年から2019 年に、ヒト(患者)及び食品から分離されたサルモネラ属菌株を対象と
した。ヒト由来株は、感染性胃腸炎や食中毒の患者検体から分離されたものを対象とし、食品由来株は、分離
した食品の種類、分離年月日を求め、食品が鶏肉の場合は、国産、輸入(国名)、不明の情報を収集した。協
力21地方衛生研究所でサルモネラ属菌と判定された菌株を用い、
「地衛研グループ薬剤感受性検査プロトコル」
にしたがって、CLSI ディスク拡散法による薬剤感受性検査を実施した。検査に用いる感受性ディスク等の試
薬、ディスクディスペンサーやノギス等の器具は全ての地方衛生研究所で共通のものを用いた。寒天平板上の
感受性ディスクの配置は、阻止円が融合しないよう、プロトコルに示す配置図のように配置した。結果の判定
は、阻止円径を測定し、プロトコルの感受性判定表にしたがって行われた。

③ 今後の展望
ヒト由来株と食品由来株の各種抗菌薬に対する耐性率に明瞭な類似が認められている。これらのデータは、
環境―動物―食品―ヒトを包括するワンヘルス・アプローチにおいて重要であり、相互変換ソフトによりJANIS
及びJVARM のデータと統合し、三者を一元的に評価できるシステムが確立している。

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