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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (40 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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⑧ 病院における感染診療・感染対策・疾病負荷に関する調査
データ元:J-SIPHE、AMRCRC
AMR 臨床リファレンスセンター(AMRCRC)では、地域連携の推進とともに病院での AMR 対策に
活用できるシステム J-SIPHE を運営している。2020 年年報の対象参加医療機関は 778 施設(加算 1:
539 施設、加算 2:232 施設、加算なし:7 施設)であった。登録情報は、各参加施設が任意で選択可
能である。病院(n=326)における血液培養提出数(20 件以上提出の施設を集計)は、中央値 24.6(/1,000
在院患者延べ数:14.0-34.2)であり、複数セット率は、成人では中央値 90%を超えていた。血液培養
陽性率は、中央値 14.73(11.8-18.2)と適切な指標の範囲であった。加算1算定病院が中心であるが、加
算 2 も参加が増加していることから、プラクティスの幅がある事を考慮する必要がある。
2020 年の各医療機関における血流感染症発生状況は、Escherichia coli (2.13/10,000 在院患者延べ
数)が 最多 で、 Staphylococcus aureus (1.38/10,000 在院患 者延 べ数 ) 、 Klebsiella pneumoniae
(0.77/10,000 在院患者延べ数)と続き、昨年度に比してわずかに減少した。一方、大腸菌及び肺炎桿菌
の薬剤耐性菌の発生数は増加した。
新型コロナウイルス感染症対策における院内感染対策および入院患者の疫学的変化の可能性があり
注視する必要がある。
手指衛生プラクティス状況では、手指衛生遵守率が全体で 62.6%、内訳ではクリティカルケア部門
が 68.9%と高かった。手指消毒剤使用量は、全体で 9.63mL/1000 在院患者延べ数、内訳ではクリティ
カルケア部門が 41.2mL/1000 在院患者延べ数と高かった。新型コロナウイルス感染症対策に伴う手指
衛生意識の向上がうかがえる。手指衛生遵守率は 70-80%を目標に更なるプラクティスの向上が望ま
れる。一方、感染対策関連のリソースが少ない施設は、簡便な手指衛生使用量を代替指標とした、経時
的な感染対策の監視が望まれる。
厚生労働行政推進調査事業費にて、JANIS データを利用した研究を行い、血流感染症の患者における
推定死亡数を公開した。MRSA による死亡数は減少から横ばいであった。フルオロキノロン耐性大腸
菌による死亡数は、年々増加傾向は変わらなかった。今回、肺炎球菌、肺炎桿菌、緑膿菌を追加し
た。
今後、社会的損失を示す指標 DALYsを公開予定である。 AMR の疾病負荷研究の精度をあげるため
に、ベースラインの社会的指標の収集が望まれる。
表 38

J-SIPHE 参加医療機関の基本情報
2019

2020

参加施設数

581

778

(加算 1)

(449)

(539)

(加算 2)

(127)

(232)

(5)

(7)

340.5 (221.3-525.3)

308.1 (196.0-498.3)

13.6 (11.7-17.1)

14.4 (12.0-19.0)

(加算なし)
病床数

(IQR)

平均在院日数 (IQR)
IQR(Interquartile range):四分位範囲

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