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【資料1】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書年次報告書2021(たたき台) (116 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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②薬剤耐性調査実施体制
健康家畜由来の食品媒介性病原細菌及び指標細菌については、JVARM の開始当初は家畜保健衛生所が農場
において採取した対象家畜の糞便から分離・同定した菌株を検体とした調査を実施していた。2012 年度より、
集約的なサンプリングが可能で、より食品に近いことから、と畜場及び食鳥処理場において採取した糞便から
受託検査機関が分離・同定した菌株を用いた調査が開始された。両調査での成績に大きな違いがないことが確
認されたことから 2016 年度からは農場での採材からと畜場及び食鳥処理場での採材に移行した(図5)。糞
便サンプルからの菌分離は菌種選択用培地を用いて実施し、1 農場あたり 1 菌種1株(農場代表菌株)につい
て集計を行った。
家畜における野外流行株については、全国の家畜保健衛生所が病性鑑定材料から分離・同定した菌株を収集
し、疾病1発生において 1 個体より分離された 1 株、計 1~2株を調査に用いた。菌株の MIC は動物医薬品
検査所で CLSI に準拠した微量液体希釈法により測定している(図6)。調査対象の抗菌性物質は、動物専用
抗菌剤、ヒトと動物の両方で使用されている抗菌剤、抗菌性飼料添加物等で重要と思われる成分を広く対象と
している。なお、調査対象の抗菌性物質は、過去の調査及び OIE の陸生動物衛生規約(6.7章)3 に準拠し、
菌種ごとに選定した。
愛玩動物の調査は、「愛玩動物 AMR 調査に関するワーキンググループ」の検討結果を参考に調査方法を決
定しており、2017 年からは疾病にり患した犬及び猫由来の菌株を臨床検査機関から収集した(図7)。また
2018 年からは、健康な犬猫を対象とし、日本獣医師会の協力を得て全国の動物病院から検体を収集した(図
8)。検体からの菌分離はいずれも菌種選択用培地を用いて実施し、1病院あたり 1 菌種 1 株とした。収集し
た菌株については検査受託機関において CLSI に準拠した微量液体希釈法により MIC を測定した。調査対象の
抗菌性物質は、家畜の調査で対象としている薬剤に愛玩動物の臨床現場で使用される薬剤を勘案して菌種毎に
選定した。
なお、菌株の分離・同定及び薬剤感受性試験に関しては、動物医薬品検査所で毎年実施している家畜保健
衛生所の職員に対する研修や、受託検査機関に対する精度管理に関する確認等により、標準化を図るととも
に、サンプルの由来、採材日等の調査を併せて実施している。また、JVARM で収集した分離株については動
物医薬品検査所で保存を行うとともに、薬剤耐性株の分子疫学的調査のために、遺伝学的性状の解析、薬剤
耐性機構の解明等を行っている。また、抗菌性飼料添加物については、FAMIC で分析等を実施している。
JVARM で得られた成績は、毎年、動物医薬品検査所のホームページに公表されるとともに、食品安全委員会
におけるリスク評価への活用やリスク管理を講じるための科学的知見として利用されている。

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