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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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下垂体性 ADH 分泌異常症
下垂体性 TSH 分泌亢進症
下垂体性 PRL 分泌亢進症
クッシング病
下垂体性ゴナドトロピン分泌亢進症
下垂体性成長ホルモン分泌亢進症
下垂体前葉機能低下症

○ 概要
1.概要
下垂体から分泌される ADH、ACTH、TSH、GH、LH、FSH、PRL の単独ないし複数のホルモン分泌障害あ
るいは分泌亢進により、主として末梢ホルモン欠乏あるいは過剰による多彩な症状を呈する疾患である。
病因は、下垂体自体の障害と、下垂体ホルモンの分泌を制御する視床下部の障害及び両者を連結する下
垂体茎部の障害に分類される。実際は障害部位が複数の領域にまたがっていることも多い。
全ての前葉ホルモン分泌が障害されているものを汎下垂体機能低下症、複数のホルモンが種々の程度
に障害されているものを部分型下複合型下垂体機能低下症と呼ぶ。また、単一のホルモンのみが欠損す
るものは、単独欠損症と呼ばれる。一方、分泌亢進は通常単独のホルモンのみとなる。
2.原因
汎ないし部分型下垂体機能低下症では、脳・下垂体領域の器質的疾患、特に腫瘍(下垂体腫瘍、頭蓋咽
頭腫、胚細胞腫瘍など)、炎症性疾患(肉芽腫性疾患としてサルコイドーシス、ランゲルハンス組織球症、
IgG4 関連疾患など、自己免疫性炎症性疾患としてリンパ球性下垂体炎など)、外傷・手術によるものが最も
多い。分娩時大出血に伴う下垂体壊死梗塞(シーハン症候群)の頻度は低下している。一方、単独欠損症
は GH や ACTH に多く、前者では出産時の児のトラブル(骨盤位分娩など)が、後者では自己免疫機序の関
与が示唆されている。さらに抗 PIT-1 下垂体炎(抗 PIT-1 抗体症候群)など自己免疫で複合型の下垂体機
能低下症をきたすこともある。まれに遺伝性遺伝子異常に起因する例があり、POU1F1(PIT1(; TSH、GH、
PRL 複合欠損)、PROP1(TSH、GH、PRL、LH、FSH 複合欠損)、TPIT(ATCH)、GH、SHOX、GRHRACTH)、

GH1、GHRHR(GH)などが知られている。カルマン(Kallmann)症候群の原因遺伝子である ANOS1(KAL1)な
どの視床下部遺伝子異常は LH、FSH 欠損による先天性性腺機能低下症の原因となる。近年、頭部外傷、
くも膜下出血後、小児がん経験者においても下垂体機能低下症を認めることが報告されている。
また、分泌亢進症に関しては、腺腫、上位の視床下部における調節機能異常などが挙げられる。
3.症状
欠損あるいは過剰となるホルモンの種類により多彩な症状を呈する。
4.治療法
基礎疾患に対する治療
原因となっている腫瘍性ないし炎症性疾患が存在する場合は、正確な診断のもとに、各々の疾患に対し、

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