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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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血を行う。なお、発熱や感染症を合併している場合は出血傾向が増悪することが多いので、血小
板数を 1~2 万/μl 以上に保つように計画的に血小板輸血を行う。
頻回の赤血球輸血のため血清フェリチンが 1,000ng/ml を超える例に対しては輸血後鉄過剰症
による臓器障害を軽減するためデフェラシロクスを投与する。
造血回復を目指した治療
①免疫抑制療法、②蛋白同化ステロイド療法、③トロンボポエチン受容体作動薬(TPO-RA)、④
造血幹細胞移植がある。
Stage1、及び Stage2a に対する治療
これらの重症度の再生不良性貧血に関しては大規模な臨床試験は皆無である。血小板が
10 万/μl 未満の基準を満たす場合には、3.5 ㎎/㎏/日前後のシクロスポリンを開始し、血小板や
網赤血球の増加がみられないかどうかを観察する。再生不良性貧血の診断基準を満たす場合で
も、血小板が 10 万/μl 以上の例は免疫病態による骨髄不全ではないため、無治療で経過を観察
するか、蛋白同化ステロイドの効果をみる。8 週間以上シクロスポリンを投与しても反応がみられ
ず、血球減少が進行する場合には、Stage 2b 以上の治療方針に準じて治療する。血球減少の進
行がない場合は、無治療で経過を観察するか、TPO-RA または蛋白同化ステロイドの効果をみる。
Stage2b以上の重症度で輸血を必要とする例に対する治療
ウサギ ATG(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン)は治療期間が短いという長所がある
が、治療のため、シクロスポリンならびに入院や血小板輸血を必要とすることが問題 TPORA である。
Stage3以上の重症例に対する治療
ウサギ ATG とシクロスポリンエルトロンボパグの併用療法か、40 歳未満で HLA 一致同胞を
有する例に対しては骨髄移植を行う。ATG とシクロスポリンとの併用により、約7割6割の患者が
輸血不要となるまで改善するが、さらにエルトロンボパグを併用すると奏効率が高くなる。成人再
生不良性貧血に対する非血縁者間骨髄移植後の長期生存率は 70%以下であるため、適用適応
は免疫抑制療法の無効例に限られる。
難治例に対する治療
シクロスポリンや ATG が無効であった再生不良性貧血の 50%~80%に TPO-RA のエルトロン
ボパグまたはロミプロスチムが奏効する。これによって、従来は輸血依存性が改善しなかった例
や、非血縁ドナーからの骨髄移植に進まざるを得なかった患者のかなりの例が救済されている。
なお、非重症例では骨髄細胞にしばしば形態異常がみられるため、芽球・環状鉄芽球の増加
や染色体異常がない MDS との鑑別は困難である。このため治療方針は病態に応じて決定する必
要がある。免疫病態による(免疫抑制療法が効きやすい)骨髄不全かどうかの判定に有用な可能

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