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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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臨床像は症例差が大きい。特異抗血清による直接クームス試験でIgGのみ、又はIgGと補体成分が検出
されるのが原則であるが、抗補体又は広スペクトル抗血清でのみ陽性のこともある。診断は2)、3)の除
外によってもよい。
2)寒冷凝集素症(CAD)
血清中に寒冷凝集素価の上昇があり、寒冷曝露による溶血の悪化や慢性溶血がみられる。特異抗血清
による直接Coombs クームス試験では補体成分が検出される。
3)発作性寒冷ヘモグロビン尿症(PCH)
ヘモグロビン尿を特徴とし、血清中に二相性溶血素(ドナート・ランドスタイナー(Donath-Landsteiner)抗
体)が検出される。特異抗血清による直接クームス試験では補体成分が検出される。
5.
以下によって経過分類と病因分類を行うが、指定難病の対象となるのは、原則として慢性で特発性のAIHAを
対象とする。
急性:推定発病又は診断から6か月までに治癒する。
慢性:推定発病又は診断から6か月以上遷延する。
特発性:基礎疾患を認めない。
続発性:先行又は随伴する基礎疾患を認める。

E.参考所見
1)) 診断には赤血球の形態所見(球状赤血球、赤血球凝集など)も参考になる。
2)) 温式AIHAでは、常用法による直接クームス試験が陰性のことがある(クームス陰性AIHA)。この場合、患
者赤血球結合IgGの定量が診断に有用である。
3)特発性温式AIHA に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が合併することがある(エヴァンズエヴァンス症候
群)。また、寒冷凝集素価の上昇を伴う混合型もみられる。
4)3) 寒冷凝集素症での溶血は寒冷凝集素価と平行相関するとは限らず、低力価でも溶血症状を示すことがあ
る(低力価寒冷凝集素症)。直接凝集試験 (寒冷凝集素症スクリーニング)が陰性の場合は、病的意義のない寒
冷凝集素とほぼ判断できる。
5)自己抗体の性状の判定には抗体遊出法などを行う。
6)4) 基礎疾患には自己免疫疾患、リウマチ性疾患、リンパ増殖性疾患、免疫不全症、腫瘍、感染症(マイコプ
ラズマ、ウイルス)などが含まれる。特発性で経過中にこれらの疾患が顕性化することがあるあり、その時点で
指定難病の対象からは外れる。
7)5) 薬剤起因性免疫性溶血性貧血でも広スペクトル抗広範囲抗血清による直接クームス試験が陽性となる
ので留意する。診断には臨床経過、薬剤中止の影響、薬剤特異性抗体の検出などが参考になる。

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