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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (117 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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82 先天性副腎低形成症
○ 概要
1.概要
先天性副腎低形成症は、先天性の要因により、ミネラルコルチコイドであるアルドステロン、グルココルチ
コイドであるコルチゾール、副腎アンドロゲンであるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とその硫酸塩であ
るデヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)の分泌が生体の必要量以下に慢性的に低下した状
態である。
2.原因
副腎の発生・分化に関わる転写因子(DAX-1NR0B1 あるいは SF-1NR5A1)の異常により副腎欠損を呈
するものや、

DAX-1NR0B1 遺伝子を含む大きな遺伝子欠失のために近傍のデュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子やグ
リセロールキナーゼ遺伝子の欠損を伴う隣接遺伝子症候群によるものが主な原因としてある。その他
ACTH 不応症における遺伝子異常としては、ACTH 受容体の MC2R 異常、ACTH 受容体と相互作用蛋白
MRAP 異常が同定されている。さらには ALADIN 遺伝子欠損による Triple 症候群(Allgrove 症候群;ACTH
不応症、無涙症とアカラシアを合併する)による副腎皮質低形成もみられる。その他、原因不明なものとし
て IMAgeIMAGe 症候群(子宮内発育不全、骨幹端異形成、停留精巣・小陰茎などの外陰部異常、副腎低形
成)がある。続発性のものとして下垂体の発生に関与する遺伝子欠損(PROP1、HESX1、LHX4、TPIT、GLI2
など)や ACTH 合成異常によるものがある。

3.症状
・X 連鎖性(DAX-1NR0B1 異常症):嘔吐、哺乳不良、色素沈着、低血圧、ショック症状などで発症する。発
症時期
は主に新生児期~乳幼児期であるが、成人になってから発症する例がある。思春期年齢になっても二次
性徴の発達がみられない(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を合併する。)。また、精巣での精子形成は
障害される。
・常染色体性(SF-1NR5A1 異常症)副腎不全を呈する例は稀で、主に性腺形成不全による症状、46,XY 女
性性分化疾患と二次性徴発達不全を呈する。
・IMAgeIMAGe 症候群:子宮内発育不全、骨幹端異形成症、外性器異常(小陰茎、停留精巣)と副腎低形成
を合併する。
・ACTH 不応症:グルココルチコイド、副腎アンドロゲンの分泌不全による症状がみられる。多くは新生児期
に発症する。嘔吐、哺乳不良、皮膚色素沈着がみられる。また新生児黄疸が重症・遷延化することもある。
低血糖がみられる。なかに高身長を呈する患者もいる。
・Triple A 症候群(Allgrove 症候群):ACTH 不応症に無涙症(alacrima)とアカラシア(achalasia)を伴う。精神

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