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資料1-2-5診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<診断基準>
IgA 腎症の診断基準
1.臨床症状
大部分の症例は無症候であるが、ときに急性腎炎様の症状(肉眼的血尿など)を呈することもある。ネフロ
ーゼ症候群の発現は比較的まれである。
一般に経過は緩慢であるが、10 年で 15~20%、20 年の経過で約 40%の患者が末期腎不全に移行する。
腎機能が低下した例では、腎不全の合併症(高血圧、電解質異常、骨ミネラル異常、貧血など)が見られる。
2.尿検査成績
尿異常の診断には3回以上の検尿を必要とし、そのうち2回以上は一般の尿定性試験に加えて尿沈渣の分
析も行う。
A.必発所見:持続的顕微鏡的血尿 注1)
B.頻発所見:間欠的又は持続的蛋白尿
C.偶発所見:肉眼的血尿 注2)
3.血液検査成績
A.必発所見:なし
B.頻発所見:成人の場合、血清 IgA 値 315mg/dL 以上 注3)
4.確定診断
腎生検による糸球体の観察が唯一の方法である。
A.光顕所見:巣状分節性からびまん性全節性(球状)までのメサンギウム増殖性変化が主体であるが、半
月体、分節性硬化、全節性硬化など多彩な病変が見られる。
B.蛍光抗体法または酵素抗体法所見:びまん性にメサンギウム領域を主体とする IgA の顆粒状沈着 注
4)
C.電顕所見:メサンギウム基質内、特にパラメサンギウム領域を中心とする高電子密度物質の沈着
[付記事項]
1.上記の2-A、2-B、および3-B の3つの所見が認められれば、本症の可能性が高く、確定診断に向
けた検討を行う。ただし、泌尿器科的疾患の鑑別診断を行うことが必要である。
2.本症と類似の腎生検組織所見を示しうる紫斑病性腎炎、肝硬変症、ループス腎炎などとは、各疾患に特
有の全身症状の有無や検査所見によって鑑別を行う。
3.本症の腎生検病理組織所見において必須の所見は、B.蛍光抗体または酵素抗体法所見であり、
A.光顕所見、C.電顕所見は必須ではないが正確な診断に寄与する(例えばBの検体試料が不十
分で評価できないなどの場合にメサンギウム領域の免疫沈着物を観察するなど)。3項目すべて揃う必
要はない。
注1)尿沈渣で、赤血球5~6/HPF 以上
注2)急性上気道炎あるいは急性消化管感染症後に併発することが多い。

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