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10 研究開発局主要事項 -令和8年度科学技術関係概算要求- (13 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.html
出典情報 令和8年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(8/29)《文部科学省》
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北極域研究の戦略的推進

令和8年度要求・要望額
95億円
(前年度予算額
35億円)
※運営費交付金中の推計額含む

背景・課題

 北極域は、海氷の急激な減少をはじめ地球温暖化の影響が最も顕著に現れている地域である。北極域の環境変動は単に北極圏国のみの問題に留まらず、台風や豪雪
等の異常気象の発生など、我が国を含めた非北極圏国にも影響を与える全球的な課題となっているが、その環境変動のメカニズムに関する科学的知見は不十分である。
 その一方で、北極域における海氷の減少により、北極航路の活用など、北極域の利活用の機運が高まっているほか、北極域に関する国際的なルール作りに関する議論が
活発に行われており、社会実装を見据えた科学的知見の充実・研究基盤の強化が必要である。
 第4期海洋基本計画では、北極政策が主要政策に位置付けられ、観測の空白域の解消に資する北極域研究船「みらいⅡ」の着実な建造、北極域研究強化プロジェク
ト(ArCSⅢ)等による観測・研究・人材育成の推進、国際連携による観測データの共有の推進、国際枠組みの実施の促進等を着実に進める必要がある。
 極域研究分野における国際協力や、北極域研究船等の国際的な観測プラットフォームを使った技術開発の成果活用、各種データの共有、人材育成や能力開発による
観測強化の重要性は、G7科学技術大臣会合等において国際的にも指摘されている。

北極における海氷の減少

事業概要

 北極域研究強化プロジェクト(ArCSⅢ)
1,032百万円(705百万円)
 北極域研究船の建造【JAMSTEC】 5,971百万円(2,623百万円)
北極域の国際研究プラットフォームとして、砕氷機能を有し、北極海海氷域の観測が 気候変動などの地球規模課題や北極域の変動が我が国を含む人間社会に与える影響等の解明を
目指すとともに、観測・研究成果を国内外のステークホルダーに提供することにより、北極域の利用等に
可能な北極域研究船の着実な建造を進める。

関する国際的ルール形成に資する等、我が国が強みを有する科学力に基づいた国際社会への貢献を
➣ 建造費総額:339億円 ➣ 建造期間:5年程度(令和8年秋就航予定)
行い、我が国のプレゼンス向上を図る。
➣ 主な観測内容
・気象レーダー等による降雨(降雪)観測 ・ドローン等による海氷観測
➣ 事業期間:5年(令和7年度より実施)
・音波探査、ROV・AUV等による海底探査 ・係留系による海中定点観測
➣ 代表機関:国立極地研究所 副代表機関:JAMSTEC・北海道大学
・砕氷による船体構造の応答モニタリング 等
➣ 期待される成果
(ArCSⅢのポイント)
・台風・豪雨等の異常気象の予測精度向上
○北極域の環境変化の実態把握とプロセス解明、気象・気候予測の高度化・精緻化を
実施するとともに、社会課題の解決に貢献する研究・情報生成を行い統合的な成果の
・北極域の国際研究プラットフォームの構築
創出を目指す。
・北極航路の利活用に係る環境整備
・エビデンスに基づく国際枠組やルール形成への貢献 等 北極域研究船「みらいⅡ」の完成イメージ図 〇若手人材のキャリア形成と国内研究組織の研究力強化・発展を目指すとともに、本プロ
ジェクトで得られた学術的知見を迅速かつ分かりやすく、社会やステークホルダーに発信
 北極域研究船の運用【JAMSTEC】 2,393百万円(新規)
する。
○ 令和9年度以降の研究航海に向けて、「みらいⅡ」の引き渡し後、速やかに慣熟航海(実際の
〇北極海観測における国際連携や海外に設置している国際連携拠点の観測・整備など、研
観測活動を想定した機器作動確認、操船・各種作業訓練等)を実施する。
究基盤を活用した北極域研究を推進する。
○ 本船の運航・就航に際して、運航機器予備品等を配備・搭載する。
(参考) 各種政策文書等における位置づけ
○経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針) (R7.6)
北極域研究船「みらいⅡ」の建造及び就航等を推進する。
○新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025(R7.6)
北極域研究船「みらいⅡ」の着実な建造と就航後の国際研究プラットフォーム化等の
重要ミッションを着実に推進する。
○成長戦略等のフォローアップ(R5.6)
2026年の就航に向けて北極域研究船の建造を着実に進めるとともに、極域の観測・
研究を引き続き実施する。

○統合イノベーション戦略2025 (R7.6)
・「北極政策における国際連携の推進等」について、令和6年度に行った各国の北極政策の情報収集・分析の調査を踏まえ、令和7年度に国際シ
ンポジウム・ワークショップを開催し、我が国の北極政策に対する理解促進及び関係各国との連携強化を図る。また、令和8年秋の就航に向けた北極
域研究船「みらいⅡ」の着実な建造、「北極域研究強化プロジェクト(ArCSⅢ)」の実施等、国際研究プラットフォームとしての「みらいⅡ」の活用に
向けた取組を進める。
・様々な研究船や探査機等の活用により北極・南極域や深海等の観測データ空白域や生物地球化学データ等の充足に努め、必要な技術開発や
老朽化対策を推進。
○国土強靱化年次計画2025 (R7.7)
頻発する自然災害による死傷者数の低減等を図るため、(略)予測精度の向上等、各種防災気象情報の高度化(略)を図る。くわえて、北極域
研究船「みらいⅡ」の建造・運用等により、更なる精度向上に向けて研究を進める。
(担当:研究開発局海洋地球課)

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