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【参考資料】 病床転換助成事業等に関する実態調査・効果検証等調査研究事業報告 (65 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58958.html
出典情報 社会保障審議会 医療保険部会(第195回 6/19)《厚生労働省》
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Ⅳ.本調査研究事業のまとめ

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本調査研究事業を通じて得られた主な結果の概要は以下の通りである。

病床転換助成事業の実績
病床転換助成事業は当時医療療養病床数が多かった地域での活用実績が多く、本事業で整備された施設は介護医療院が最も多く、次いで介
護老人保健施設が多かった。




事業開始前の人口あたり医療療養病床数が全国平均以上の二次医療圏では45.3%の本事業の利用実績があり、平均未満の二次医療圏よりも16.3%
高かった。また、本事業で整備された施設について、整備件数は「介護医療院」(100件)が最も多く、次いで「介護老人保健施設」(65件)が多かった。
一方、病床転換助成事業を活用しない理由として、申請手続きの煩雑さや他の公的な補助金・助成事業を活用予定との回答が得られた。ヒアリング調査
でも、病床転換助成事業を申請・活用するうえでの手続きの煩雑さや承認を得られるまでの期間等が課題として指摘された。

病床転換助成事業の効果
本事業を活用した医療機関からは、本助成事業が地域の利用ニーズの充足に貢献したほか、設備・サービスの充実や経営判断の後押しにつな
がった等の効果が示された。








都道府県のアンケートでは、2017年以降に利用された医療・介護の整備に関する事業のうち、病床転換助成事業が最も高い割合だった。医療機関のア
ンケートにおいても、介護医療院への転換において病床転換助成事業が利用された割合が最も高かった。
介護保険施設の現在の定員数と将来の必要定員数の相対比をみると、利用実績のある二次医療圏においては、実績のない二次医療圏と比較して必要
定員数が不足している地域は少なかった。ヒアリング調査においても、都道府県から病床転換助成事業を通じて介護の利用環境を整えられたという点
でサポートになったとの評価が得られた。このため、本助成事業が地域の医療・介護ニーズの充足に寄与したと考えられた。
医療機関のアンケートでは、病床転換助成事業を活用して得られた効果について66.7%が地域の患者ニーズを満たすことができたと回答し、次いで
56.7%が設備やサービスの充実につながった、46.7%が経営判断上転換の後押しになったと回答した。
ヒアリング調査においても、複数の医療機関から病床転換助成事業は転換の後押しになったほか、自費では難しかった設備をより充実させることもでき
たとの声や、病床転換した介護医療院によって地域における看取り依頼のニーズに応えることができたといった評価が聞かれた。

病床転換助成事業の今後の活用見込み
今後病床転換の予定があると回答した医療機関は限定的であった。一方で、現時点では判断を保留している医療機関も存在するのではない
かという指摘もあった。






一方、今後の利用見込みでは、回答した都道府県のうち52.4%が、今後、事業の活用を希望する医療機関が現れる可能性は高くないと回答した。また、
回答した医療機関のうち98.8%が令和7年度末までに転換予定なし、97.0%が令和9年度末までに転換予定なしと回答した。ただし、検討会委員か
ら、当該結果は回収率を考慮して解釈すべきとの意見があった。
ヒアリング調査においても、複数の都道府県から病床転換助成事業は介護保険施設の整備・充実に寄与した一方で、近年の相談・活用件数は減少傾向に
あるとの意見が寄せられた。
検討会委員からは、今後、新たな地域医療構想や次回報酬改定の結果まで判断を保留する医療機関も存在すると考えられるため、これらの結果だけで
今後の病床転換が少ないと判断することは困難ではないかとの指摘もあった。