よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


■ 大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書 (17 ページ)

公開元URL https://ajmc.jp/news/2023/04/17/5048/
出典情報 全国医学部長病院長会議 記者会見(4/17)《全国医学部長病院長会議》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

している。
これに関する自由意見としては、
〇 大学で行っている基礎研究、トランスレーショナル研究、臨床研究は労働時間としてカウン
トしていない現状がある。これは、研究の時間を勤務としてカウントすると多大な時間外勤
務時間が発生するからである。大学で行われる研究を労働時間としてカウントするのであ
れば、働き方改革による労働時間制限内で研究を行うことは不可能であり、大学における
研究は大きく衰退することになるであろう。
〇 大学病院に勤務する医師として研究を行っていくことは重要な責務だと考える。救急科に
勤務する医師として、勤務時間中は搬送されてくる救急患者や入院中の重症患者に対する
集中治療に専念する必要があり、研究活動に割ける時間は勤務時間外である。しかしなが
ら、働き方改革により総労働時間が制限されると必然的に研究活動に割ける時間を削減し
なければならない。研究に当てられる時間が制限の影響を受けるため、研究のスピードは停
滞し論文数も減少することが予想され、日本における医学の進歩は停滞する可能性さえあ
る。
〇 大学病院における業務の優先順位は①診療②教育③研究の順である。教育に割く時間で
すら危惧される状態において③の研究にさける時間はない。特にこれからを担う若手医師
がほぼ研究に従事できない、従事させられなくなる。日本の将来は、限られた時間とマンパ
ワーの中での診療に追われ、将来への投資(教育、研究)に費やす時間がなく、大変暗いも
のになると危惧せざるを得ない。
等が記載されている。
3)働き方改革による「診療」への影響
医師の働き方改革により労働時間が短縮されることによる「診療」への影響を尋ねたところ、影
響が「ある」は 463 人(47.2%)、「ややある」は 264 人(26.9%)で、74.1%がその影響を懸念
している。
これらに関する自由意見では、
〇 高度な技術や知識が必要な症例が集まる大学病院では、対応できる医師が限られている
症例も多い。それぞれに疾患領域について大学病院として必要な水準の知識・技術を有す
る医師が最低でも 2 名以上いなければ労働時間が制限された際に補完できる医師がいな
いため、医師数が少ない診療科では特に深夜手術や急患対応・急変対応の翌日には患者
に必要な医療が提供できない状況が生じる可能性がある。また、現状が診療を維持するた
めに必要な最低限の人員であった場合、労働時間制限はインターバル確保のため日中のマ
ンパワーとなり予定治療に人員をすべて動員し、大学病院でなければ対応できないような急
患への対応ができず、患者に不利益が生じる可能性がある。
〇 教育、研究等の他の業務にしわ寄せが行きがちであるが、診療と自己研鑽を分けて考え

13