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参考資料3-2 (86 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32513.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第74回 4/12)《厚生労働省》
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戦略 6.2 薬剤耐性に関するグローバル・アクション・

プラン達成のための国際協力の展開
背景


世界保健機関(WHO)による「薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プラン」では、ド
ナー国に対し、グローバル・アクション・プランの達成に向けた支援(特に、動向調査、有効性の確
保のための対策を伴う抗微生物剤の利用可能性の確保及び新しい予防・診断・治療法に関して)
を実行することが求められている146。



2016 年に東京で開催されたアジア各国保健大臣会議(Tokyo Meeting of Health Ministers on
Antimicrobial Resistance in Asia)においてアジア太平洋領域における薬剤耐性(AMR)問題に協
働して立ち向かい、地域の薬剤耐性(AMR)対策を実現するロードマップを描く「薬剤耐性(AMR)
に関するアジア−太平洋ワンヘルス・イニシアチブ(ASPIRE)」が採択された。ASPIRE では1) サー
ベイランスシステムと検査室ネットワーク 2) 医療管理 3) 抗菌薬へのアクセスと規制 4) 研究
開発の4分野を優先課題として挙げている。その後、先進7カ国(G7)保健大臣会議の神戸コミュ
ニケ及び第 71 回国際連合総会ハイレベル会合における薬剤耐性(AMR)に関する政治宣言が採
択された。これらを受け、2017 年には「薬剤耐性(AMR)ワンヘルス東京会議」が開催され、アジア
における薬剤耐性(AMR)対策グローバル・アクション・プランの推進について協議がなされ、成果
概要が発表された。2019 年薬剤耐性(AMR)ワンヘルス東京会議は厚生労働省と世界保健機関
西太平洋地域事務局(WPRO)の共同開催となり、4つの優先課題(柱)を進める ASPIRE 調整会議
が発足した。2021 年の薬剤耐性(AMR)ワンヘルス東京会議では ASPIRE 調整会議の下で4つの
優先課題(柱)について議長を中心とした現状確認、今後の活動について議論がなされた。



2021 年、世界保健機関(WHO)は国立国際医療研究センターAMR 臨床リファレンスセンター
(AMRCRC)を「薬剤耐性の予防・準備・対応のための世界保健機関(WHO)連携センター」147、国
立感染症研究所薬剤耐性(AMR)研究センターを「薬剤耐性(AMR)サーベイランス・研究のため
の世界保健機関(WHO)連携センター」148として認定した。世界保健機関(WHO)連携センターは
世界保健機関(WHO)が認定する国際的な協力ネットワークを形成する機関で同機関のポリシー
の下で薬剤耐性(AMR)対策プログラムを支援することが求められている。



我が国では、抗微生物薬や感染症対策に関する研究開発の長い歴史に加え、医薬品の品質
管理、質の高い動向調査、臨床における感染予防・管理(IPC)を推進してきた歴史があり、国際協
力機構(JICA)を通じて、感染予防・管理(IPC)、特に医療関連感染症(HAI)対策を主眼とした能
力強化等の協力を展開してきた。こうした観点から、薬剤耐性(AMR)対策について我が国が支援
し得る領域は幅広い。



また、厚生労働省が関わる新興・再興感染症研究事業等の枠組みにおいて、薬剤耐性(AMR)
対策に関する国際協力を展開してきた。



畜水産分野においては、国際獣疫事務局(WOAH)や国際連合食糧農業機関(FAO)の研修等
への協力や、個別の国々からの依頼に基づくセミナー等への薬剤耐性菌の専門家の参画等を実
施してきている。

146
147
148

Global Action Plan on Antimicrobial Resistance, World Health Organization 2015, ISBN 978 92 4 150976 3
WHO Collaborating Center (CC) for prevention, preparedness and response to Antimicrobial Resistance
AMR CC for AMR surveillance and research

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) | 86