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参考資料3-2 (74 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32513.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第74回 4/12)《厚生労働省》
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戦略 5.4 新たな予防・診断・治療法等の開発に資す

る研究及び産学官連携の推進
背景


我が国は、世界標準の抗微生物剤を数多く開発してきた歴史を持つ。薬剤耐性微生物(ARO)
に切り札として使用されてきたカルバペネム系抗菌薬であるメロペネムやドリペネム、カルバペネム
耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症に有効な数少ない抗菌薬の一つであるコリスチン、多剤耐性
結核に有効な抗結核薬のデラマニド等は我が国発の薬剤である。



2016 年以降、我が国で新たに販売開始された抗微生物薬は 13 剤であり、抗菌薬が7剤121、抗
真菌薬が2剤122、抗寄生虫薬が2剤123、抗結核薬が 1 剤124、抗非結核性抗酸菌薬が1剤125を占め
る。このうち、ラスクフロキサシン、ホスラブコナゾール及びセフトロザン/タゾバクタムのセフトロザン
は我が国発の薬剤である。



新規抗菌薬開発を更に促進する必要があるが、新規に開発される抗微生物剤には更なる薬剤
耐性(AMR)を生まないために適正使用上の規制がかかるため、製薬企業にとっては創薬に対す
る経済的利点が乏しい状況がある。



検査法としてメタロ-β-ラクマーゼ産生菌を SMA ディスクによって検出する方法やポリメラーゼ
連鎖反応(PCR)によって分子疫学解析を行う PCR-based ORF Typing (POT 法)がわが国で開
発されてきたが、まだその開発数は少ない。



我が国では、健康・医療戦略推進法(平成 26 年法律第 48 号)及び日本医療研究開発機構法
(平成 26 年法律第 49 号)に基づき、平成 27 年4月に日本医療研究開発機構(AMED)が設立さ
れ、感染症についても重点的に研究開発を推進している。また、アフリカやアジア地域においては、
不十分な結核治療等に起因する多剤耐性結核の増加等により、現在もなお結核対策は政策上、
最も重要な課題の一つである。こうした中、我が国は、健康・医療に関する国際展開推進にも資す
るグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)等を活用し、マラリア、結核、顧みられない熱帯病
(NTDs)等に対する途上国向けの医薬品等の開発などにも積極的に取り組んでいる。



畜産分野においては、動物用抗菌剤の慎重使用に必要な薬剤感受性判定手法等に関する調
査・研究を、国の事業として大学や民間団体等が実施している。

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新規キノロン系薬であるラスクフロキサシン、カルバペネム系抗菌薬とβラクタマーゼ阻害薬の配合剤であるレレバクタム/
イミペネム/シラスタチン、セファロスポリン系抗菌薬とβラクタマーゼ阻害薬の配合剤であるセフトロザン/タゾバクタム、抗メ
チシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬のテジゾリド、抗クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)薬のフィダキソマイシン、
クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)再発抑制のべズロトクスマブ(モノクローナル抗体)、梅毒治療に用いられる持続
性薬剤のベンジルペニシリンベンザチン
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爪白癬治療の新規トリアゾール系薬であるホスラブコナゾール、深在性真菌症治療の新規アゾール系薬であるポサコナ
ゾール
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抗マラリア治療薬のアルテメテル/ルメファントリン、抗トキソプラズマ薬のスピラマイシン
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多剤耐性結核治療薬のベダキリン
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非結核性抗酸菌症の吸入用アミカシン

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) | 74