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参考資料3-2 (36 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32513.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第74回 4/12)《厚生労働省》
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戦略 2.2 医療機関における抗微生物薬使用量の動向

の把握
背景


医療機関における抗微生物薬使用量(AMU)は、薬剤耐性(AMR)と密接な関係があることが知
られており50、また、抗微生物薬の使用量を減少させることは薬剤耐性微生物(ARO)の出現を抑
制することが示されている51。



医療機関における抗微生物薬使用量(AMU)に関する動向調査は、抗微生物薬使用量に関す
る指標(AMU 指標 52 )を把握し、「院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)」などの薬剤耐性
(AMR)動向調査データと連携することで、医療機関間での抗微生物薬の適正使用(AMS)の量
的・質的な評価に用いることができるため、その活用に関する調査研究53が行われている。



また、国際標準の抗微生物薬の使用量に関する指標(AMU 指標)を用いることで、我が国の抗
微生物薬使用量(AMU)に関する状況を世界と比較することもできる。



抗微生物薬は感染症の種類、患者の年齢や臓器の機能等に応じて投与量や投与日数だけで
なく、地域により使用状況が異なることを考慮して、医療機関ごとの細かい動向把握を可能とする
仕組みを展開していく必要がある。



現在、販売量及び診療明細情報を用いた抗微生物薬使用量(AMU)に関する入院・外来での
監視を実施している54。この調査結果から、抗微生物薬の使用は、病院以上に診療所での処方が
多くを占めている実態が明らかとなった。なかでも処方の9割を外来が占めており、上気道感染症
や下痢症といった本来抗菌薬が不要と考えられる疾患に多くが使用されていることが明らかになっ
てきた55,56,57。適正使用の更なる推進のためには、多くの処方がなされている診療所を対象とする
動向調査を実施することが重要となる。

50

Bell BG, Schellevis F, Stobberingh E, Goossens H, Pringle M. A systematic review and meta-analysis of the effects of
antibiotic consumption on antibiotic resistance. BMC Infect Dis. 2014;14:13. Published 2014 Jan 9. doi:10.1186/1471-233414-13
51
Dancer SJ, Kirkpatrick P, Corcoran DS, Christison F, Farmer D, Robertson C. Approaching zero: temporal effects of a
restrictive antibiotic policy on hospital-acquired Clostridium difficile, extended-spectrum β-lactamase-producing coliforms
and
meticillin-resistant
Staphylococcus
aureus.
Int
J
Antimicrob
Agents.
2013;41(2):137-142.
doi:10.1016/j.ijantimicag.2012.10.013
52
抗微生物薬使用密度(AUD)、抗微生物薬使用日数(DOT)及びその組み合わせ
53
令和3年度厚生労働科学研究費補助金「薬剤耐性(AMR)アクションプランの実行に関する研究」
54
抗菌薬使用サーベイランス Japan Surveillance of Antimicrobial Consumption (JSAC)
http://amrcrc.ncgm.go.jp/surveillance/010/ref/NDB_2013-2020.pdf
55
Hashimoto H, Saito M, Sato J, et al. Indications and classes of outpatient antibiotic prescriptions in Japan: A descriptive
study using the national database of electronic health insurance claims, 2012-2015. Int J Infect Dis. 2020;91:1-8.
doi:10.1016/j.ijid.2019.11.009
56
Kimura Y, Fukuda H, Hayakawa K, et al. Longitudinal trends of and factors associated with inappropriate antibiotic
prescribing for non-bacterial acute respiratory tract infection in Japan: A retrospective claims database study, 2012-2017.
PLoS One. 2019;14(10):e0223835. Published 2019 Oct 16. doi:10.1371/journal.pone.0223835
57
Ono A, Aoyagi K, Muraki Y, et al. Trends in healthcare visits and antimicrobial prescriptions for acute infectious diarrhea
in individuals aged 65 years or younger in Japan from 2013 to 2018 based on administrative claims database: a retrospective
observational study. BMC Infect Dis. 2021;21(1):983. Published 2021 Sep 21. doi:10.1186/s12879-021-06688-2

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) | 36