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資料 こども・高齢化 (58 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20240416zaiseia.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/16)《財務省》
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我が国における費用対効果評価の適用の在り方の見直し

効率的提供

○ 2019年4月から運用が開始された費用対効果評価制度については、保険償還の可否の判断に用いるのではなく、いったん保険収載
したうえで価格調整に用いることとされているほか、対象が市場規模が大きい、又は著しく単価が高い医薬品・医療機器に限られている
こと等から、2024年4月時点で、36品目の費用対効果評価の実施に留まっている。
○ その結果、27品目の薬価が引き下げられている(うち2品目は2024年7月1日適用予定)が、評価結果を反映させる価格調整範囲は、
薬価全体ではなく、有用性系加算や営業利益に関する部分に限られており、これまでの薬価の引下げ幅は最大▲9.4%にとどまる。
◆費用対効果評価における価格調整範囲

◆費用対効果の測り方
・既存の治療法と比較し、「費用」と「効果」のバランスを考える
・計算式:「追加の費用」を新たに得られる「追加の効果」で割る
・ICER(Incremental Cost-Effectiveness Ratio)
b-a(費用がどのくらい増加するか)(円)
増分費用効果比

(ICER)
B-A(効果がどのくらい増加するか)(QALY)

(類似薬効比較方式の場合)
・価格調整は有用性系加算部分のみ

(原価計算方式の場合)
・価格調整は有用性系加算部分+営業利益の範囲(開示度低い場合※1 )
製品総原価

・ICERが500万円/QALYを超えると薬価を引下げ

(抗がん剤など配慮が必要な医薬品については750万円を超えると引下げ)
出所:国立保健医療科学院ホームページ(https://c2h.niph.go.jp)

※1

流通経費

※A・a:既存の治療法、B・b:評価対象品目
※QALY:健康状態と生存年を勘案して効果を数値化

・「追加の効果」:QALY(Quality-Adjusted Life Year)
・ QOL(Quality of Life)×生存年数
(例)完全に健康な状態で1年間生存:1×1=1QALY
QOLは患者に対する質問票の結果を数値化(0~1)

営業利益
加算部分
※2

消費税
※1 開示度が高い場合には営業利益は対象外
※2 加算がない場合には、調整対象とはならない

価格調整対象

◆価格調整の方法

・算出されたICERの値に応じて、有用性系加算部分は最大▲90%、営業利益
部分は最大▲50%の価格調整
・ただし、下げ止めの仕組みが設けられており、価格調整は有用性系加算の
加算率に応じて、調整前薬価の10%~15%が限度
また、ICER 500万円/QALYとなる価格(抗がん剤等では750万円/QALYと
なる価格)を下回らない価格とする

【改革の方向性】(案)
○ 費用対効果評価を実施する薬剤の範囲や価格調整対象範囲を拡大するとともに、諸外国の例も踏まえ、費用対効果評価の
結果を保険償還の可否の判断にも用いることも検討すべき。併せて、費用対効果評価を実施する体制を強化する必要がある。
○ 費用対効果評価の結果については、各学会が定める診療ガイドラインや厚生労働省が作成する最適使用推進ガイドラインなどの
各種ガイドラインに反映し、経済性の観点を診療の現場にも徹底させるべき。(後述の治療の適正化に向けた取組参照)
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