よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (36 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

提案番号

申請技術名

申請学会名

203201

慢性気道疾患の診断・管理ツールとしての呼気一酸化窒素濃度測定(スパイログラフィー等検査 呼気ガス分析)

日本アレルギー学会

技術の概要
既存の治療法との
比較

呼気一酸化窒素 (NO) 測定は、喘息の本態である気道炎症の程度
を客観的かつ簡便、迅速に計測する医療技術である

対象疾患

喘息
喘息とCOPDのオーバーラップ

標準治療の普及にも関わらず喘息患者の約半数では症状や増悪が持続している。呼気NO測定は、タイプ2気道炎症を呼気で
計測できる唯一のバイオマーカーで、喘息の診断のみならず治療モニタリングに用いることで症状改善や増悪リスクの抑制に役立つ。
呼気NO測定を加え抗炎症治療を調節した場合、従来からの症状や呼吸機能検査のみに基づく治療に比べて増悪による入院や
救急受診を大幅に抑制することができ、医療費を削減するとともに費用対効果に優れている。

有効性及び診療報酬上の取扱い
ガイドライン等での位置付け
◆日本呼吸器学会 2018年

呼気NO測定ハンドブック
測定方法、日本人の基準値、結果の解釈を解説
正しい知識と解釈による適正使用の環境を整備
【診断・管理における臨床的意義】
・喘息の診断補助
・喘息治療のモニタリング・調節
・服薬アドヒアランスの評価
・抗炎症治療薬の適応評価・選択
◆日本アレルギー学会 2021年

喘息予防管理ガイドライン
気道炎症の制御が喘息の管理目標
呼気NO測定による炎症評価を推奨

医療費の削減効果と費用対効果
医療費の削減効果* (参考文献: 2/5, 3/5)

中央社会保険医療協議会 (令和4年)

呼気NO測定を用いた喘息治療の増悪抑制効果
増悪発現のオッズ比: 成人 0.60, 小児 0.58

検査料が低く原価割れのため標準的手順が省かれ
医療費を高騰させている検査 (二号側意見)

点数見直しによる医療費増分(試算)
既存 7.64億円+新規 3.44億円: 計11.08億円
増悪抑制による医療費削減額(試算)
外来 2.59億円+入院 10.20億円: 計12.79億円
【合計】 11.08億円-12.79億円=-1.71億円
*本試算にはQOL改善や生産性損失の回避が織り込まれていない

費用対効果 (ICER)

(参考文献: 1/5, 4/5)

英国NHSモデル分析: £2,146/QALY (成人)

再評価提案の根拠
現在の呼気ガス分析診療報酬点数100点に対
して、検査1回あたりの測定コスト (機器・材料費
と人件費) は2,186円と採算割れが生じている
保険適用されているように喘息管理に重要な検査
であるが、採算割れで臨床現場での普及が進まず
医療費の削減効果が十分に発揮されていない

◆日本呼吸器学会 2023年

タイプ2炎症バイオマーカーの手引き
(参考文献: 5/5)

慢性気道疾患の治療に直結するタイプ2
炎症の評価について、プライマリケア医が
簡便に使用できる臨床指針を提供

診療報酬上の取り扱いと再評価提案

36

呼気NO測定の増点要望: 100点→220点