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提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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減(-)

プラスマイナス
予想影響額(円)

-170,055,993
本試算では、直接の医療費増減のみを算定し、QOL改善や生産性損失の回避による影響は織り込んでいない。
【医療費の増分】
既に検査を受けている患者に起因する増分
新規に検査を受ける患者に起因する増分

⑩予想影響額

その根拠

:954,852件× 80点増 =
:190,970件×180点増 =

7.64億円
3.44億円

(小計) 11.08億円

【医療費の削減額】
喘息患者の年齢構成:呼気ガス分析実施患者の約8割は成人(厚生労働省「NDBオープンデータ」外来)
増悪の発生率(入院):年間に成人患者の2%、小児患者の4%が入院に至る(足立他 2012)
増悪の発生率(外来):年間に成人患者の39%、小児患者の56%が予定外受診に至る(足立他 2012)
呼気ガス分析による増悪の削減率(入院・外来共通):成人28.9%、小児24.2%(※1)
喘息の医療費(1入院当たり(推計)):542,508円(厚生労働省「令和二年度 医療給付実態調査」)
喘息の医療費(外来1日当たり):7,687円(厚生労働省「令和二年度 医療給付実態調査」)(※2)
上記前提より年間の医療費削減額は次の通り。
成人の入院:286,456人×8割× 2%×28.9%×542,508円= 7.19億円
小児の入院:286,456人×2割× 4%×24.2%×542,508円= 3.01億円
成人の外来:286,456人×8割×39%×28.9%× 7,687円= 1.99億円
小児の外来:286,456人×2割×56%×24.2%× 7,687円= 0.60億円
(小計) 12.79億円
【合計】
11.08億円-12.79億円=1.71億円の減
以上、直接的な医療費の増減を比較的保守的に(医療費削減額を少なめに)算定しているが、Harnan et al. 2015では成人の喘息管理への活用で
£2,146/QALYという費用対効果に非常に優れた結果が出ている。救急受診や入院によるQOLや生産性の損失を回避できる点などを勘案すると社会
資源の損失を軽減する相乗効果も期待される。
※1 足立他2012の増悪発生率をベースとし、呼気NO測定を用いない増悪発生オッズ比(Petsky et al.2016a,2016b)からリスク比を算出(1-リス
ク比)。削減率は「入外問わず増悪を経験した」症例数の削減率を援用。
※2 救急受診や入院を要しない喘息患者の医療費を含めた平均値であり、筆者の経験上、増悪が発生する患者の医療費はさらに高額である。

備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし
特になし
【米国での償還価格】
米国Medicareで収載されており、米国の技術料として約$21(平均)となっている。
【英国NICEでのガイドライン】
英国NICEガイドラインでは、喘息の診断と管理において普及・活用していくべき臨床検査として呼気NO測定を位置付けている。

⑫その他

【企業との情報共有】
製造販売業者へのヒアリングも交え、製造販売承認取得済であること、及び普及状況(導入施設数)、使用回数などを確認した。
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

⑭参考文献1

⑭参考文献2

⑭参考文献3

⑭参考文献4

⑭参考文献5

日本小児アレルギー学会、日本小児科医会

1)名称

Measurement of exhaled nitric oxide concentration in asthma: a systematic review and economic evaluation of NIOX MINO, NIOX VERO
and NObreath.

2)著者

Harnan et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

英国NHS「HEALTH TECHNOLOGY ASSESSMENT VOLUME 19

4)概要

英国NHSによる医療技術評価(HTA)。「ナイオックスVERO」および「NObreath」等について、喘息の診断および管理における、診断能、臨床にお
ける有用性、費用対効果を評価。喘息の管理における増悪の発生率は、3つのRCTを基にしたメタアナリシスより、発生率の比率が0.53(95%信頼
区間0.46-0.61)としている(p.104)。費用対効果モデルのパラメータは、Table65(p.189-192)にまとめられている。管理に関する費用対効果
の結果は、Table78(小児でICER £45,213/QALY, p.214)およびTable81(成人でICER £2,146/QALY, p.218)にまとめられている。呼気NO測定
は、診断および管理の両面において価値を持ちうると結論付けている(p.236)。

1)名称

Exhaled nitric oxide levels to guide treatment for adults with asthma.

2)著者

Petsky et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 9. Art. No.: CD011440.、フルページ

4)概要

コクランライブラリに収載されている成人喘息患者の喘息管理に対する呼気NO測定の有効性のシステマティックレビュー(5つのRCTのレ
ビュー)。調査期間中の増悪の発生をアウトカムとした場合においては、呼気NO測定を用いた介入群では増悪の発生が有意に低いとしている
(p=0.003, Pooled OR=0.60, 95%CI:0.43-0.84, 患者数=1005, RCTの数=5, p.39)。

1)名称

Exhaled nitric oxide levels to guide treatment for children with asthma.

2)著者

Petsky et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 11. Art. No.: CD011439.、フルページ

4)概要

コクランライブラリに収載されている小児喘息患者の喘息管理に対する呼気NO測定の有効性のシステマティックレビュー(8つのRCTのレ
ビュー)。調査期間中の増悪の発生をアウトカムとした場合においては、呼気NO測定を用いた介入群では増悪の発生が有意に低いとしている
(p=0.0002, Pooled OR=0.58, 95%CI:0.45-0.75, 患者数=1279, RCTの数=8, p.40)。

1)名称

Symptom- and fraction of exhaled nitric oxide-driven strategies for asthma control: A cluster-randomized trial in primary care.

2)著者

Honkoop et al., J Allergy Clin Immunol. 2015 Mar;135(3):682-8.e11.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

J Allergy Clin Immunol. 2015 Mar;135(3)、682-688ページ

4)概要

呼気NO測定で気道炎症を評価しながら治療調節した場合と、症状から判定したコントロールレベルに基づいて喘息管理を行う場合を比べたブロッ
クランダム化比較試験。QALYのみならず生産性損失等も加味しており、呼気NO測定で気道炎症を評価しながら治療調節した場合が費用対効果に優
れるとしている(支払意思額$0-$125,000/QALYという幅広いレンジにおいて、コントロール群に比べて費用対効果が高い, p.685)。

1)名称

タイプ2炎症バイオマーカーの手引き

2)著者

日本呼吸器学会肺生理専門委員会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

タイプ2炎症バイオマーカーの手引き、2023年、4月、フルページ
タイプ2炎症バイオマーカーを用いることで、病態や炎症表現型を正確に把握でき、診断精度の向上、より安全で効果的な治療選択、増悪や呼吸
機能の経年低下などの将来のリスクを低減すること、が可能となる。重症患者では、タイプ2炎症バイオマーカーはIL-4、IL-5、IL-13やIgEを標
的にした生物学的製剤の効果が期待される症例の選択や治療方針の決定に不可欠な検査である。

4)概要

ISSUE 82

OCTOBER 2015」、フルページ

※⑬については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等の関連団体や研
究者等の名称を記載すること。

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