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提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

202103
アルコール脱水素酵素1B(ADH1B)とアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)の遺伝子多型検査
日本アルコール・アディクション医学会
21精神科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

01内科
関連する診療科(2つまで)
04消化器内科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する

リストから選択

有無をリストから選択

追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

血液や頬粘膜スメアなどの検体を用いてPCR検査によりアルコール脱水素酵素1B (ADH1B; rs1229984)とアルデヒド脱水素酵素
2 (ALDH2; rs671)のアジア型の遺伝子多型を判定する。一般的なSNIP検査である。

アルコール依存症

このアジア型の遺伝子多型がアルコール依存症(ア症)の様々な臨床像と関連することは多くの論文で示されてきた。
アルコール代謝の遅いADH1B低活性型はア症の強力な発症リスクであり、酩酊濃度の時間が長く離脱症状も出やすい。 アセト
アルデヒドの代謝が遅いALDH2欠損型のア症はアセトアルデヒド発癌で食道・頭頸部癌のリスクが高く、上記ADH1Bとの組み合
わせで相乗的にリスクが上昇し、しかも多発重複発癌する。ア症の肝障害・貧血・白血球減少・肥満・脂質尿酸代謝異常のリ
スクとも関連する。患者と医療者がこの遺伝子型を知ることで、病態や合併症の理解が深まり、断酒・減酒の動機付けや合併
症リスク低減に貢献する。

文字数: 299
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

アルコール依存症

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

血液や頬粘膜スメアなどの検体を用いてPCR検査によりアルコール脱水素酵素1B (ADH1B; rs1229984)とアルデヒド脱水素酵素
2 (ALDH2; rs671)の遺伝子型を判定する。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

その他(右欄に記載する。)

学校教育などでエタノールパッチテストが行われることがある。医
療行為としては問診が行われている。

番号



医療技術名

簡易フラッシング質問紙法とエタノールパッチテスト

既存の治療法・検査法等の内容

ADH1Bの遺伝子型を予測する代替方法は未だない。ALDH2欠損型の予測は、フラッシング反応の問診やエタノールパッチテスト
で行われているが、アルコール依存症のような中高年の飲酒者では、耐性によりアセトアルデヒドによる反応が消失し、感度
は約70%で信頼できる予測はできない。しかも食道・頭頸部癌のリスクが最大となるALDH2欠損型とADH1B低活性型の組み合わ
せでは、最初から飲んでも赤くならないタイプの人が多い。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

ADH1B・ALDH2の遺伝子型を知る効果は、病態と合併症リスクの理解に基づく、断酒・減酒の動機付けと合併症予防対策が講じ
られることにある。ADH1B低活性型は一般的には5-7%だが、20-30歳台の依存症では40%近い高頻度で、依存症の若年発症の強
力な危険因子であり、酩酊時間が長く離脱症状が激しい。ALDH2欠損型では、食道・頭頸部の癌検診と貧血・白血球減少の断
酒による改善など特殊な合併症対策を強く推奨できる。
依存症リスクに関しては1990年代から一貫した関連が多数報告され男女別でも同様の結果であった(PLoS One; 16:
e0255276, 2021)。ALDH2欠損型の食道癌・頭頸部癌リスクは、2007年にWHOの国際がん研究機関IARCが認定した。依存症の内
視鏡検査では10%以上に同癌が診断され、5年で更に40%が発癌したと報告された (CEBP; 15: 2209-15, 2006)。

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

2b
ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の改
保険収載で検査可能となれば臨床的有用性が高く記載される。
訂の見込み等を記載する。)

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