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提案書01(0001頁~0202頁)医療技術評価・再評価提案書 (189 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

現行の対象とする患者等は以下の通りである(医科点数表より抜粋)
E101-2 18FDG-PET 点数 7,500点
(2) 18FDGを用いたポジトロン断層撮影については、てんかん、心疾患若しくは血管炎の 診断又は悪性腫瘍(早期胃癌を除き、悪性リンパ腫
を含む。)の病期診断若しくは転移・再発の診断を目的とし、次の表に定める要件を満たす場合に限り算定する。
1、2、4(省略)
3 . 悪性腫瘍( 早期胃癌を除き、悪性リンパ腫を含む。) 他の検査又は画像診断により病期診断又は転移若しくは再発の診断が確定できない患
者に使用する。
E101-3 18FDG-PET/CT 点数 8,625点
(3) 18FDGを用いたポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影については、てんかん若しくは血管炎の診断又は悪性腫瘍(早期胃癌を除き、
悪性リンパ腫を含む。)の病期診断若しくは転移・再発の診断を目的とし、次の表に定める要件を満たす場合に限り算定する。
1、3(省略)
2 . 悪性腫瘍( 早期胃癌を除き、悪性リンパ腫を含む。) 他の検査又は画像診断により病期診断又は転移若しくは再発の診断が確定できない
患者に使用する。
E101-5 18FDG 点数 4,000点
(1) 乳房用ポジトロン断層撮影とは、乳房専用のPET装置を用いて、診断用の画像とし てポジトロン断層撮影画像を撮影するものをいう。ま
た、画像の方向、スライスの数、 撮影の部位数、疾病の種類等にかかわらず、所定点数により算定する。
(2) 18FDGを用いて、乳がんの病期診断及び転移又は再発の診断を目的とし、他の検査又 は画像診断により病期診断又は転移若しくは再発の
診断が確定できない患者に使用した 場合に限り算定する。
(3) 区分番号「E101-2」ポジトロン断層撮影の「2」18FDGを用いた場合(一連の 検査につき)、区分番号「E101-3」ポジトロ
ン断層・コンピューター断層複合撮 影(一連の検査につき)の「2」18FDGを用いた場合(一連の検査につき)又は区分番 号「E101-
4」のポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影(一連に つき)と併せて同日に行った場合に限り算定する。
(4) 18FDG製剤を医療機関内で製造する場合は、18FDG製剤の製造に係る衛生管理、品 質管理等については、関係学会の定める基準を参考
として、十分安全な体制を整備した 上で実施すること。18FDGの合成及び注入に係る費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。



診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

E101-2、E101-3、E101-5
18
FDGを用いた場合(一連の検査につき), E101-3 ポジトロン断層・コンピューター断層複合
18
撮影(一連の検査につき) 2 FDGを用いた場合(一連の検査につき)、乳房用ポジトロン断層撮影

E101-2 ポジトロン断層撮影 2

医療技術名

術前化学療法は標準治療法であるが治療には副作用もあり、非奏効例の早期検出等画像による治療中のモニタリングや治療後評価が重要である。
PETによる病理学的完全奏効(pCR)予測は、メタアナリシスで感度86%、特異度72%である。腫瘍糖代謝の変化は腫瘍サイズの変化に先行し、早期に
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 PETで判定することで、治療無効例の検出やpCR例早期予測が期待される(参考文献4)。乳房専用PET装置は、治療効果判定において全身PETより
後等のアウトカム
も高い診断能が本邦から報告されている(参考文献5)。乳癌診療ガイドライン(参考文献1)では2018年版に引き続き2022年版においても術前化
③再評価の根
拠・有効性

学療法におけるPET/乳房専用PETの有用性が記載されている。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

PET検査件数に関するアンケート調査報告 第20報(日本核医学会PET核医学委員会、アイソトープ協会医学・薬学部会ポジトロン核医学利用専門
委員会、Isotope News. 2023年2月号; No.785)によると、乳癌に対して保険適用されたPET検査は2022年6月の1か月間で4,144件であった。これ
らは遠隔転移の可能性の高い症例と考えられるが、術前のみならず術後の検査も含まれるため、術前検査分は多くても約半数とみられる。全国乳
がん患者登録調査報告 確定版(2017年)によると、調査対象の乳癌のうち術前薬物療法は約15%に行われ、そのうち高齢で内分泌療法のみの症
例を除くと約10%と見込まれる。術前薬物療法の患者において、治療中、早期に1回、終了時に1回、計2回PETまたはPET/CTを施行すると仮定する
が、終了時の撮影については治療効果が明らかな場合(明らかなCR、明らかな増悪)は省略し得るため、平均1.5回のPETまたはPET/CT撮影が追加
されると考える。
したがって、
4,144件×12か月×0.5×0.1×1.5回=3,730件/年
が増加すると、検査総数は、
4,144件×12か月+3,730件/年=49,728件+3,730件/年=53,458件/年
と推定される。

見直し前の症例数(人)

49,728

見直し後の症例数(人)

49,728

見直し前の回数(回)

49,728

見直し後の回数(回)

53,458

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

2022年版の乳癌診療ガイドライン(文献1)においてFDG-PETを用いたpCR予測と早期効果判
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
定につき、複数の論文で高い感度の報告あり。FDG-PET、PET/CT診療ガイドライン(2020
る。)
年)(文献3)でも悪性腫瘍の第二段階治療方針決定のための病期診断の記載がある。

PETの2002年度の保険適用以来、特にがん領域の画像診断として一般的に使用されている。また、乳房専用PETについても核医学会でガイドライン
を作成し、技術面の向上を支援している。乳房専用PETについては専門性はあるものの上記ガイドライン等で一定の質が保たれている。

イ 画像診断を担当する常勤の医師(核医学診断について、相当の経験を有し、かつ、核医学診断に係る研修を受けた者に限る。)が配置されて
施設の要件
いること。
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 ロ 当該断層撮影を行うにつき十分な機器及び施設を有していること。
制等)
ハ 当該断層撮影を行うにつき十分な体制が整備されていること。
人的配置の要件
(1) 核医学診断の経験を3年以上有し、かつ、所定の研修を修了した常勤医師が1名以上いること。
(医師、看護師等の職種や人数、専門 (2) 診断撮影機器ごとに、PET製剤の取扱いに関し、専門の知識及び経験を有する専任の診療放射線技師が1名以上いること。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の FDG PET, PET/CT診療ガイドライン2020
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

特になし

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

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