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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (88 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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[小括]
急性気道感染症への抗菌薬使用率は研究によって若干異なるが, この差は研究の施行時期や気道感染症の定
義の差により生じていると考えられる. しかしながら, いずれの研究でも経時的に低下していることは一致し
ており, 気道感染症へ不要な抗菌薬投与が行われている状況は改善していると考えられる. 一方, 急性気道感染
症のほとんどがウイルス感染であることを考慮すればさらなる削減が可能であると考えられ, 同様の調査を継
続的に行っていく必要がある. 13-39 歳の患者層への処方率が高い状況は, 今後の適正使用支援の目標となり
得る.
3. 急性下痢症に対する抗菌薬適正使用
[過去の報告のまとめ]
大久保らは JMDC 社のデータベースを用い, 2012 年 4 月~2015 年 12 月にかけて小児 (18 歳未満) の急性
下痢症に対する抗菌薬使用状況を調査した 12. 4,493 名の急性下痢症に罹患した外来患者に関するレセプトが
調査され, そのうち 29.6%が何らかの抗菌薬処方を受けていた。処方内容はホスホマイシンが最も多く
(20.3%), セファロスポリン (4.5%)、マクロライド (3.5%) が続いた.
[2020 年度に更新された情報]
なし
[小括]
本研究は小児の急性下痢症への不要な抗菌薬投与が多い状況を示している. 成人に関するデータが不足して
おり, 今後検討する必要がある.
4. その他の領域における抗菌薬適正使用
[過去の報告のまとめ]
大久保らは JMDC 社のデータベースを用い, 2012 年 4 月~2015 年 12 月にかけて小児(18 歳未満) の A 群
β溶連菌 (GAS) 感染症に対する抗菌薬使用状況を調査した 13. 5,030 の GAS に罹患した外来患者に関するレ
セプトが調査され, 抗菌薬処方は第 3 世代セファロスポリン薬が全体の 53.3%と最も多く, ペニシリン
(40.1%), マクロライド (2.6%) が続いた. 時間外の受診はペニシリンが処方される独立した因子であり, 小児
科・内科以外の受診はペニシリンが処方されない因子であった.
日馬らは JMDC 社のデータベースを用いて 2013 年 1 月~2016 年 12 月にかけて 15 歳以上の急性膀胱炎
58,380 受診に対する抗菌薬使用状況を調査している 14. 単純性膀胱炎への処方はセファロスポリンおよびフ
ァロペネムが全体の 40.6%, フルオロキノロンが全体の 52.7%であり, 両者で全体の 93.3%を占めた。また,
セファロスポリンおよびファロペネムのうち, 90.9%が第 3 世代セファロスポリンであった. 処方期間は第 1
世代セファロスポリン (7 日間), ペネム (7 日間), ST 合剤 (3 日間)を除き, すべて 5 日間が最多であった.

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