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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (102 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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(4)耐性結核菌の動向調査
① 概要
結核登録者情報システムは NESID の一部であり、当該年の 1 月 1 日から 12 月 31 日までの間に新たに登録
された結核患者及び潜在性結核感染症者と、当該年 12 月 31 日現在に登録されているすべての登録者に関す
る状況について、情報をとりまとめている。この情報は基本的に「結核患者」に関するものであり、結核の
罹患数・罹患率、有病者数、治療状況、結核死亡者数などの情報を主として、起炎菌である結核菌の情報は
塗抹陽性率、培養陽性数(培養陽性患者数)、薬剤感受性検査情報などに限定されている。しかしながら、
定期に報告される結核菌薬剤耐性情報としては日本では唯一の報告である。

② 調査方法
結核登録者情報に記載されている情報のうち、新登録肺結核菌培養陽性患者での薬剤感受性検査結果を集
計している。なお、この項目については従来任意での入力であったが、感染症の予防及び感染症の患者に対
する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成二十七年厚生労働省令第百一号:平成二十七年
五月二十一日施行)において、第二十七条の八第一項第四号中「病状」の下に「薬剤感受性検査の結果」を
加えると明記された。

③ 体制
結核登録者情報は、結核を診断した医師からの届出に基づき、登録保健所の保健師が患者及び担当医師か
ら情報を収集している。薬剤感受性検査データは病院検査室又は衛生検査所から得られているものと考えら
れる。個々のデータは全国の保健所から NESID に入力されている。

④ 今後の展望
結核登録者情報システムに基づく本サーべイランスは、すべての医療機関等から報告された新登録肺結核
菌培養陽性患者の感受性結果を含んでいる。そのため、全国を代表するデータとして、有用と考えられる。
今後の検討課題としては、薬剤感受性検査結果の入力率の向上(現状 80%程度)、薬剤感受性検査の精度保
証を全国的に実施する仕組みの構築、入力の精度管理等があげられる。

(5)動物由来薬剤耐性菌モニタリング

(JVARM)

① 概要
JVARM は、農林水産省が全国の家畜保健衛生所とネットワークを構築し 1999 年から開始した動物分野で
の薬剤耐性菌の全国的な動向調査であり、WHO の薬剤耐性菌の報告書(Antimicrobial resistance: global
report on surveillance 2014)において動向調査事例の一つとして例示されており、世界的にも重要な情報を
提供している。
JVARM では、(1)抗菌剤の使用量(販売量から推計)、(2)健康動物由来の指標菌と食品媒介性病原
細菌の薬剤耐性調査、及び(3)病気動物由来の病原細菌(野外流行株)の薬剤耐性調査の 3 つの調査を行
い、動物用抗菌剤の有効性を確認するとともに、人医療への影響を考慮した薬剤耐性に関するリスク評価・
リスク管理の基礎資料を提供している(図1)。これらの JVARM の調査結果は、農林水産省動物医薬品検査所
のウェブサイトにおいて公表されている 2。また、2016 年度には、我が国の AMR 対策アクションプランの戦
略に従って水産動物の薬剤耐性菌調査の強化及び愛玩動物の薬剤耐性菌調査方法に関する検討を行い、2017
年度に、疾病にり患した犬・猫由来の薬剤耐性菌調査を 2018 年度に健康な犬・猫由来の薬剤耐性菌調査を開
始した。

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