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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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⑥ Clostridioides (Clostridium) difficile 感染症
Clostridioides (Clostridium) difficile は、芽胞産生のグラム陽性嫌気性桿菌であり、健康成人の
10%程度の腸管に定着(colonization)している 3。CDI は病院や老人介護施設等において下痢症を引
き起こす主要な医療関連感染症であることに加えて、最近では、市中でも感染症を引き起こすことが
示唆されている 4。
日本における観察研究では、10,000 患者入院日数あたりの CDI 罹患率は 0.8~4.7、1,000 入院あた
りの有病率は 0.3~5.5 と示されている 5。毒素培養検査および nucleic acid amplification test (NAAT)
法を用いて行った多施設前向き研究(12 施設 20 病棟)では、10,000 患者入院日数あたりの CDI 罹患
率は 7.4、ICU 病棟では 22.2 と、既存報告より罹患率が高く、ICU 病棟では特にリスクが高いことが
示唆された 6。検体の採取、検査方法、再燃の定義、諸外国との比較には平均入院日数の違い、など
の影響を考慮する必要がある。2019 年より、J-SIPHE において、CDI の動向調査を開始した。
2019 年 J-SIPHE における、入院患者を対象(276 施設・全病棟:イムノクロマト法を用いたトキ
シン検査 253 施設、NAAT 法を用いた検査3施設、その他 20 施設)とした報告では、10,000 患者入
院日数あたりの CDI 罹患率は 1.38(IQR:0.56-2.43)であった。
諸外国との比較には、対象者、検体の採取法、検査方法、再燃の定義、平均入院日数の違い、などの
影響を考慮する必要がある。
文献追加
J-SIPHE(感染対策連携共通プラットフォーム). 年報,2019.

⑦ 院内感染症の発生状況
データ元: JANIS
JANIS の SSI 部門の集計対象医療機関数は過去 7 年間で 2 倍を超え、2018 年には 802 施設の
305,960 の手術件数のうち、SSI 件数は 15,566 (発生率 5.1%)であった。SSI 発生率は 2012 年以降減
少傾向で推移している。
JANIS の ICU 部門では人工呼吸器関連肺炎の感染症発生率は過去 7 年間 1.3~1.7 /1,000 ICU 入室
日数で推移しており、2018 年は 1.3/1,000 ICU 入室日数であった。尿路感染症の感染症発生率は、
0.5~0.8/1,000 ICU 入室日数で推移しているが 2016 年以降微増傾向にある。一方、カテーテル関連
血流感染症の感染症発生率は 0.6~0.8/1,000 ICU 入室日数であるが、2017 年以降やや減少している。
なお、本事業では、ICU 入室後 48 時間以降、退室時までに発症した症例を集計対象としている。
ⅰ. 手術部位感染
表 35 SSI(全手術手技合計)の発生状況の推移(%)
全体の SSI 発生率(%)
集計対象医療機関数

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

6.0

6.8

6.5

6.0

5.8

5.7

5.4

5.1

333

363

442

552

671

730

772

802

手術件数合計

127,731

129,825

161,077

207,244

251,832

274,132

292,031

305,960

SSI 件数合計

7,719

8,771

10,445

12,508

14,701

15,674

15,889

15,566

* 全体の SSI 発生率(%)=(集計対象医療機関の SSI 件数合計)÷(集計対象医療機関の手術件数合計)× 100
JANIS SSI 部門年報より作成 (引用文献 7)。

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