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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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④ その他の耐性菌
ⅰ. Campylobacter spp.
データ元:東京都健康安全研究センター
東京都健康安全研究センターでは、カンピロバクター属菌について薬剤耐性率の動向調査を行って
いる。2019年に東京都内で発生した食中毒119事例中36事例(30.3%)がカンピロバクター属菌によ
るものであり,細菌性食中毒の第1位を占めていた 1。2018年の散発下痢症患者由来 Campylobacter

jejuni のシプロフロキサシン(CPFX)耐性率は51.8%で、2017年より耐性率は増加していた。一方、
Campylobacter coli に お け る同 耐 性 率は 37.5% で あ り、 昨 年 より 耐 性 率 は 低 かっ た 。 ただ し 、
Campylobacter coli では供試菌株数が少ないことも考慮に入れる必要がある。
表 17 散発下痢症由来 Campylobacter jejuni *の耐性率(%)
(供試数)

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

(108)

(83)

(85)

(125)

(116)

(113)

(115)

(110)

EM

3.7

2.4

1.2

0.8

0.9

0.9

1.7

1.8

NA

53.7

62.7

50.6

50.4

37.1

53.1

46.1

51.7

CPFX

53.7

62.7

50.6

50.4

37.1

52.2

43.5

51.8

*東京都内の散発下痢症患者から分離された株。文献〔5〕から作成,一部変更。

表 18 散発下痢症由来 Campylobacter coli *の耐性率(%)
2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

(8)

(9)

(12)

(7)

(8)

(14)

(8)

(8)

EM

12.5

22.2

16.7

28.6

0.0

14.3

25.0

62.5

NA

87.5

66.7

75.0

57.1

50.0

50.0

62.5

50

CPFX

87.5

66.7

75.0

57.1

50.0

35.7

62.5

37.5

(供試数)

*東京都内の散発下痢症患者から分離された株。文献〔5〕から作成,一部変更

ⅱ. Non-typhoidal Salmonella spp.
データ元:地方衛生研究所
全国21か所の地方衛生研究所では、2015年~2019年に分離されたサルモネラ2,338 株の薬剤耐性状
況を統一した方法で調査している2。ヒト由来株及び食品由来株の主な血清型を表19に示している。
ヒト由来株(1,755株)の39.8%、食品由来株(586株)の91.7%が、1剤以上の抗菌薬に耐性を示し
た(表20、21)。事業化された調査ではないものの、全国的調査であり、2015年~2019年分離株の年
次毎の耐性率はほぼ同様であり、この結果は、現在の日本の状況を反映していると考えられる。表20
において、2017年~2019年分離株ではセファロスポリン系薬(CTX, CAZ, CFX)に対する耐性率が上昇
しているように見えるが、国産鶏肉(括弧内)に限定すると、2015年、2016年と同等の傾向を示し
たことから、2017年~2019年分離株中の外国産鶏肉由来株の比率が高いことが原因であることが示
唆された。多剤耐性の状況としては、ヒト由来株及び食品由来株ともに3剤耐性の割合が多かった。6
から11 剤に耐性を示す多剤耐性株も、ヒト由来株中では33株、食品由来株中では50株で認められた。
食品由来株上位2血清型(S. Infantis, S. Schwarzengrund)の薬剤耐性率を表22~23に、ヒト由来株
上位5血清型(S. Infantis, S. Enteritidis, S. Thompson, S. 4:i:-, S. Saintpaul)の薬剤耐性率を表24~28
に示す。食品由来株では血清型別の耐性傾向に共通する部分が多いが、ヒト由来株では血清型別に特
徴的な耐性傾向が認められた。

24