健康家畜由来細菌
健康家畜由来の食品媒介性病原細菌及び指標菌については、と畜場及び食鳥処理場において採取し
た糞便を用いて調査した。なお、JVARM の開始当初は家畜保健衛生所が農場において採取した対象
家畜の糞便を検体とした調査を実施していたが、2012 年度より集約的なサンプリングが可能でより
食品に近いことから、と畜場及び食鳥処理場における調査が 2012 年度より開始された。両調査での
成績に大きな違いがないことが確認された 2016 年度から健康家畜由来細菌については、と畜場及び
食鳥処理場モニタリングに移行した。

ⅰ. Escherichia coli
2012 年から 2017 年に 12 薬剤、2018 年には更に MEPM を加えた 13 薬剤を対象に調査を行った。
2018 年は、豚及び鶏由来株の SM 及び TC で、鶏由来株の KM 及びナリジクス酸(NA）でそれぞれ
40%を超える耐性が認められた。ヒトの医療で重要な CTX、CPFX 及び CL に対する耐性率は、それ
ぞれ 4%未満、13%未満及び 6％以下であり、MEPM に対する耐性株は確認されなかった。また、
2012 年から 2018 年の各薬剤の耐性率の推移では、鶏の KM で 2014 年以降の上昇傾向が認められた。
表 49 と畜場及び食鳥処理場由来の Escherichia coli の耐性率の推移 (%)
薬剤

BP

ABPC

32*

CEZ

CTX

MEPM

SM

GM

KM

TC

NA

動物種

2012 年

2013 年

2014 年

2015 年

2016 年

2017 年

2018 年

牛

2.4

6.5

3.0

5.5

7.4

4.8

11.6

豚

32.3

26.0

43.0

34.4

36.7

33.7

34.9

鶏

30.8

35.5

40.1

43.5

36.1

39.3

36.1

32

牛

0.4

0.3

0.0

0.0

1.9

0.8

0.5

（2016 年よ

豚

1.0

0.8

1.1

1.0

6.7

1.2

2.4

り 8*）

鶏

3.0

7.8

5.8

3.8

10.8§1

6.7§1

7.7§1

牛

0.0

0.0

0.4

0.0

0.4

0.4

0.0

豚

0.0

0.0

1.1

0.0

1.1

1.2

0.0

鶏

1.5

4.8

4.1

2.2

5.7

4.7

3.2

牛

－

－

－

－

－

－

0.0

豚

－

－

－

－

－

－

0.0

鶏

－

－

－

－

－

－

0.0

牛

14.9

12.3

17.1

12.4

22.1

19.0

18.5

豚

44.1

44.9

52.7

39.6

50.0

41.0

49.4

鶏

39.1

38.6

44.8

41.8

51.3

41.3

48.4

牛

0.0

0.3

0.0

0.0

0.8

0.0

0.0

豚

0.5

2.4

6.5

2.1

3.3

3.6

3.6

鶏

1.5

1.8

2.9

2.2

5.1

6.0

5.2

牛

1.2

1.5

0.4

0.7

4.3

1.2

0.0

4*

4*

32

16*

64*

16*

32*

豚

9.7

7.9

9.7

8.3

10.0

10.8

8.4

鶏

24.1

24.1

33.1

37.5

43.7

36.7

43.9

牛

19.0

16.4

19.8

18.6

29.8

21.0

26.5

豚

58.5

62.2

59.1

45.8

56.7

55.4

55.4

鶏

49.6

44.0

43.6

54.9

56.3

46.0

49.0

牛

2.4

1.8

2.3

2.6

2.3

2.0

2.1

豚

4.1

11.0

9.7

5.2

15.6

12.0

12.0

鶏

39.8

36.1

45.3

35.9

35.4

39.3

40.6

44