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【参考資料2】【日版R4.1.17一部改正】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2020 (101 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23261.html
出典情報 国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第9回  1/17)《厚生労働省》
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④ 今後の展望
感染症発生動向調査事業における薬剤耐性菌感染症の届出は、感染症法の下で、定められた症例定義に基
づいて届け出られていることから、一定の質が担保されていると考えられる。全数把握対象疾患は、過小評
価があることは想定されるが、患者発生動向の全体像が把握可能である。また、患者発生動向に異常が認め
られる場合に、保健所等による医療機関に対して、調査や指導等の介入の契機となりうるなどの点でも有用
性があると考えられる。基幹定点医療機関からの届出対象疾患については、1999 年のシステム開始以来の傾
向をとらえることができることから、対象疾病の発生動向を中長期的な動向を監視する上で有用であると考
えられる。また、2017 年より CRE を中心に病原体サーベイランスが開始されており、今後 VRE や MDRA に
ついても同様に耐性遺伝子の情報の収集・解析され薬剤耐性菌対策に有用な情報が集積・活用されることが
期待される。

(3)J-SIPHE(感染対策連携共通プラットフォーム)
① 概要
AMRCRC では、地域連携の推進とともに病院での AMR 対策に活用できるシステム J-SIPHE を運営してい
る。2019 年年報の対象参加医療機関は 581 施設(加算1 449 施設、加算2 127 施設、加算なし 5 施設)で
あり、2020 年 10 月現在 600 を超える施設が参加している。
本システムは、自施設の感染症診療状況、感染対策や抗菌薬適正使用への取り組み、医療関連感染の発生
状況、主要な細菌や薬剤耐性菌の発生状況及びそれらによる血流感染の発生状況、抗菌薬の使用状況等に関
する情報を集約し、それらを参加施設が自施設や地域ネットワーク等で活用していくことを目的としている。
また、AMR 対策に係るベンチマークの構築としての役割も担っている。

②体制
本システムの参加は、「感染防止対策加算 1」および「感染防止対策加算2」における連携保険医療機関、
もしくは、「感染防止対策加算 1」と感染防止対策加算を算定していない施設から構成されるグループによる
申請を基本としている。地域連携ネットワーク等を活用した AMR 対策に役立てるために、統一された基準で
グループ内の情報を共有することが出来る。また、JANIS 検査部門の還元情報、入院 EF 統合ファイル等、既
存の情報を二次利用する事で、参加施設の負担を最小限に AMR 対策に必要な情報を集計し可視化できるシス
テムである。

③ 今後の展望
現在参加施設は、「感染防止対策加算 1」の施設が中心であるが、より地域連携に則したシステムに改修し、
「感染防止対策加算2」および感染防止対策加算を算定していない施設が利用しやすく、地域連携カンファ
レンス等で活用意義の高いシステム構築を進める必要がある。

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