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04資料1-2 森野委員提出資料(成人用肺炎球菌ワクチンファクトシート追補版) (9 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76211.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第36回 9/17)《厚生労働省》 |
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(2)肺炎球菌ワクチン導入の経緯
肺炎球菌感染症は、高齢者における肺炎および IPD の主要な原因であり、高齢化の進行に伴い、その
疾病負荷は臨床・公衆衛生の両面で重要度が高い 12。成人における肺炎球菌ワクチンは、この疾患の負荷
を背景に検討されてきた。特に高齢者や脾臓摘出者などの重篤な呼吸器感染症リスクの高い集団に対し
て肺炎球菌ワクチンの開発が進められ、23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(23-valent
pneumococcal polysaccharide vaccine: PPSV23)が利用されてきた。PPSV23 は、広い血清型カバー率を
有する一方で、多糖体抗原による T 細胞非依存性免疫応答が強いワクチンで、多糖体抗原の低免疫原性
や繰り返し接種に伴う低応答性(hyporesponsiveness)、免疫効果の減弱(waning immunity)が課題とさ
れてきた 13,14。この弱点を克服するため、より持続的な免疫応答を誘導可能な結合型ワクチン(conjugate
vaccine)の応用が検討されるようになった 15。
肺炎球菌結合型ワクチン(pneumococcal conjugate vaccine: PCV)は当初小児向けに開発され、7 価肺
炎球菌結合型ワクチン(7-valent pneumococcal conjugate vaccine: PCV7)導入後に小児 IPD の顕著な減
少に加え、集団免疫(herd immunity)による成人 IPD の減少も確認された 16。これらの有効性により、
より広範囲な血清型をカバーするワクチンの開発が進み、PCV13 が実用化され、さらなる疾病減少が得
られた。一方でワクチン非含有血清型による症例割合の増加、いわゆる血清型置換(serotype replacement)
が問題となった 17。特に 22F、33F、8 などの非ワクチン含有血清型も侵襲性感染を引き起こし、成人 IPD
の主要原因血清型として浮上した 18,19。成人高齢者に対する PCV の有効性は、オランダで実施された
Bonten らによる大規模無作為化比較試験で、PCV13 が 65 歳以上の成人においてワクチン含有肺炎球菌
性肺炎および IPD を有意に減少させることが示され、成人における PCV の有効性が明確に証明された
。
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しかし PCV13 導入後も血清型置換は継続し、非ワクチン含有血清型による IPD 増加が認められた。
この疫学的変化を背景として、より高い効果が得られる可能性のある広範な血清型を含むワクチンの開
発が進められ、 PCV1521、PCV2022、さらに PCV2123 へと多価化が進められた。PCV21 は特に成人 IPD
において依然として残存する主要血清型をカバーすることを目的として設計された。PCV21(含有血清
型:3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、
31、33F および 35B) の開発においては、成人における血清型分布の再評価が重視され、第 1/2 相試験
では良好な安全性および免疫原性が示された 23。特に成人において重要とされる追加血清型(9N、17F、
20A、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)に対しても良好な抗体応答が確認され 23、2024 年に
は米国予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices: ACIP)が PCV21 を成人肺
炎球菌ワクチン戦略の選択肢として推奨した 24。
一方で、多価化 PCV には重要な免疫学的限界も存在する。複数のシステマティックレビューおよび免
疫原性研究により、PCV に含まれる血清型間で抗体応答は必ずしも均一ではなく、血清型依存的な免疫
原性の差異が存在することが示されている 12,25。特に血清型 3 などでは免疫応答が低いことが繰り返し報
告されている 26。この背景には莢膜構造の違いや免疫干渉(immune interference)が関与すると考えら
れている 25。
小児への PCV 接種は、小児の鼻咽頭保菌を減少させることで集団免疫を形成し、その結果として成人
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肺炎球菌感染症は、高齢者における肺炎および IPD の主要な原因であり、高齢化の進行に伴い、その
疾病負荷は臨床・公衆衛生の両面で重要度が高い 12。成人における肺炎球菌ワクチンは、この疾患の負荷
を背景に検討されてきた。特に高齢者や脾臓摘出者などの重篤な呼吸器感染症リスクの高い集団に対し
て肺炎球菌ワクチンの開発が進められ、23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(23-valent
pneumococcal polysaccharide vaccine: PPSV23)が利用されてきた。PPSV23 は、広い血清型カバー率を
有する一方で、多糖体抗原による T 細胞非依存性免疫応答が強いワクチンで、多糖体抗原の低免疫原性
や繰り返し接種に伴う低応答性(hyporesponsiveness)、免疫効果の減弱(waning immunity)が課題とさ
れてきた 13,14。この弱点を克服するため、より持続的な免疫応答を誘導可能な結合型ワクチン(conjugate
vaccine)の応用が検討されるようになった 15。
肺炎球菌結合型ワクチン(pneumococcal conjugate vaccine: PCV)は当初小児向けに開発され、7 価肺
炎球菌結合型ワクチン(7-valent pneumococcal conjugate vaccine: PCV7)導入後に小児 IPD の顕著な減
少に加え、集団免疫(herd immunity)による成人 IPD の減少も確認された 16。これらの有効性により、
より広範囲な血清型をカバーするワクチンの開発が進み、PCV13 が実用化され、さらなる疾病減少が得
られた。一方でワクチン非含有血清型による症例割合の増加、いわゆる血清型置換(serotype replacement)
が問題となった 17。特に 22F、33F、8 などの非ワクチン含有血清型も侵襲性感染を引き起こし、成人 IPD
の主要原因血清型として浮上した 18,19。成人高齢者に対する PCV の有効性は、オランダで実施された
Bonten らによる大規模無作為化比較試験で、PCV13 が 65 歳以上の成人においてワクチン含有肺炎球菌
性肺炎および IPD を有意に減少させることが示され、成人における PCV の有効性が明確に証明された
。
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しかし PCV13 導入後も血清型置換は継続し、非ワクチン含有血清型による IPD 増加が認められた。
この疫学的変化を背景として、より高い効果が得られる可能性のある広範な血清型を含むワクチンの開
発が進められ、 PCV1521、PCV2022、さらに PCV2123 へと多価化が進められた。PCV21 は特に成人 IPD
において依然として残存する主要血清型をカバーすることを目的として設計された。PCV21(含有血清
型:3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、
31、33F および 35B) の開発においては、成人における血清型分布の再評価が重視され、第 1/2 相試験
では良好な安全性および免疫原性が示された 23。特に成人において重要とされる追加血清型(9N、17F、
20A、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)に対しても良好な抗体応答が確認され 23、2024 年に
は米国予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices: ACIP)が PCV21 を成人肺
炎球菌ワクチン戦略の選択肢として推奨した 24。
一方で、多価化 PCV には重要な免疫学的限界も存在する。複数のシステマティックレビューおよび免
疫原性研究により、PCV に含まれる血清型間で抗体応答は必ずしも均一ではなく、血清型依存的な免疫
原性の差異が存在することが示されている 12,25。特に血清型 3 などでは免疫応答が低いことが繰り返し報
告されている 26。この背景には莢膜構造の違いや免疫干渉(immune interference)が関与すると考えら
れている 25。
小児への PCV 接種は、小児の鼻咽頭保菌を減少させることで集団免疫を形成し、その結果として成人
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