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資料1-2-3診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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4.治療法
重篤な症例では、初めにステロイドパルス療法を施行し、その後は経口副腎皮質ステロイド治療となる。
また、1か月後にはシクロホスファミド(cyclophosphamide:CY)の投与を行い、4~6回繰り返すのが一般的
である。経口副腎皮質ステロイドは病状改善と共に漸減するが、再燃防止の為に少量を継続投与すること
が多い。軽症例では、経口副腎皮質ステロイドのみで治療する。なお、腎不全には血液透析を、腸管穿孔
では腸切除を要する。
腎障害、出血などの消化管病変、心筋病変、中枢神経病変をともなう重症例に対しては、寛解導入治療
としてグルココルチコイドと、静注シクロホスファミドパルス又は経口シクロホスファミド投与を併用する。重
症でない症例に対する寛解導入治療は、グルココルチコイド単独で治療するが、治療効果が不十分の場合、
静注シクロホスファミドパルス又はアザチオプリンを追加併用する。
皮膚動脈炎のうち、皮膚潰瘍や壊疽など皮膚症状が難治性もしくは重症な症例に対しては、経口グルコ
コルチコイドを使用しても良い。
注1:治療内容を検討する際には、最新の診療ガイドラインを参考にすること。
5.予後
早期に診断し、血管病変が重篤化重症化しない時期に治療を開始することが重要である。早期に治療を
行なうことで、完全寛解に至る症例もある。逆に治療開始が遅延すると、脳出血、消化管出血・穿孔、膵臓
出血、心筋梗塞、腎不全で死亡する頻度が高くなる。
大半の症例は、多少の臓器障害を残し寛解に至る。特に知覚神経障害、運動神経障害、維持透析で QOL
(quality of life)の低下を来す症例が多い。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数)
9,6102,273 人(顕微鏡的多発血管炎との合計)
2.発病の機構
不明(何らかの感染の関与が示唆されている。)
3.効果的な治療方法
未確立(副腎皮質ステロイド治療などが必要だが、寛解、増悪を繰り返す。)
4.長期の療養
必要(合併症を含め長期療養が必要。)
5.診断基準
あり
6.重症度分類
結節性多発動脈炎の重症度分類を用いて、3度以上 1)又は 2)の該当例を対象とする。
○ 情報提供元
難治性疾患等政策研究事業「難治性血管炎に関する調査の医療水準・患者 QOL 向上に資する研究班」

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