よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-3診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

脳脊髄腫瘍-視神経膠腫、毛様細胞性星細胞腫、脊髄腫瘍など。
そのほかその他 unidentified bright object(UBO)、消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:
GIST)、褐色細胞腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、学習障害・注意欠陥多動症限局性学習症、注意欠如・多動
症、自閉スペクトラム症などがみられる。
神経線維腫症 1 型の診断のポイントとして、カフェ・オ・レ斑と神経線維腫がみられれば診断は確実で
ある。小児例ではカフェ・オ・レ斑が6個以上あれば本症が疑われ、家族歴その他の症候を参考にして診
断する。ただし、両親ともに正常のことも多い。成人例ではカフェ・オ・レ斑が分かりにくいことも多いので、
神経線維腫を主体に診断する。
②神経線維腫症 II2 型の発症年齢は様々であるが、10~20 代の発症が多い。両側聴神経鞘腫と多数の神
経系腫瘍が両側の聴神経鞘腫が最も代表的であるが、この他多数の神経に神経鞘腫が生じる。また、
その他の中枢神経系腫瘍として髄膜腫、上衣腫なども生じる。最も多い症状は、聴神経鞘腫による難
聴・ふらつきで、脊髄神経鞘腫による手足のしびれ・知覚低下・脱力もおこる。その他に、頭痛、顔面神経
麻痺、顔面のしびれ、歩行障害や小脳失調、痙攣、半身麻痺、視力障害、嚥下障害や構音障害などを伴
うこともある。
検査として、造影 MRI、聴力検査、眼科的検査が必要で、特に造影 MRI と聴力検査は毎年1~2回定
期的に行う必要がある。頭部造影 MRI では、前庭神経鞘腫・三叉神経鞘腫を始めとする各脳神経鞘腫、
髄膜腫、脳室内髄膜腫や眼窩内腫瘍もみられる。また、脊髄造影 MRI では、多発する脊髄神経鞘腫と髄
内腫瘍(多くは上衣腫)がみられる。これらの腫瘍は、成長せずに長期間同じ大きさでとどまることもある
が、増大することもあり、成長の予測は困難である。聴力検査としては、純音聴力検査、語音聴力検査、
聴性脳幹反応検査を行う。聴力レベルと前庭神経鞘腫の大きさは必ずしも相関せず、聴力レベルが長期
間不変のことや急に悪化することもある。眼科的には白内障検査と視力検査を行う。若年性白内障、中
でも posterior capsular/subcapsular cataract は、80%と高率に見られたとする報告がある。

4.治療法
①神経線維腫症 I1 型
1)色素斑
約半数の患者が色素斑を整容上の問題と捉えて悩んでいる。しかし、現在のところ、色素斑を完全に
消失させうる確実な治療法はないため、希望に応じて対症療法を行う。
2)神経線維腫
治療を希望する患者に対して、整容的な観点ないし患者の精神的苦痛を改善させるため、外科的切除
が第1選択となる。数が少なければ、局所麻酔下に切除する。数が多ければ全身麻酔下に出来る限り切
除する。小型のものはトレパンによる切除、電気焼灼術、炭酸ガスレーザーによる切除も有効である。び
漫性神経線維腫は内在する豊富な血管に対処しながら切除する。悪性末梢神経鞘腫瘍は早期の根治
的切除術を原則とする。
3)多臓器病変
中枢神経病変、骨病変、褐色細胞腫、消化管間質腫瘍 GIST など、種々の多臓器の病変に対する専門

- 11-