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【参考資料2-4】抗微生物薬適正使用の手引き 第四版(案)歯科編 (10 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_64503.html |
| 出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第99回 10/21)《厚生労働省》 |
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抗微生物薬適正使用の手引き
第四版
歯科編
(2) AWaRe 分類とは
WHO は AMR 対策の一環として、公衆衛生学的なニーズに則って優先順位付けし
た医薬品リストである Essential Medical List(EML)を発表している。その中で、抗
菌薬については臨床的重要性と薬剤耐性化の危険性を考慮し、Access、Watch、
Reserve の 3 つにカテゴリーした AWaRe 分類 12 を示している(表 3)。
表 3.
AWaRe 分類※
Access
一般的な感染症に対して第一選択又は第二選択として使用される抗菌薬の
多くが含まれる。耐性化したとしても他の選択肢があるため、耐性化した際
の不利益が少ないとされている。
Watch
Access 薬で治療困難な耐性菌による感染症等、限られた疾患や適応にのみ
使用が求められる抗菌薬。これらの薬剤は重要な医療用途がある一方で、不
適切な使用が臨床上重要な薬剤耐性菌の急速な拡大につながる可能性があ
る。
Reserve
多剤耐性菌による感染症に対する治療等において、他の手段が使えなくな
った場合にのみ使用すべき抗菌薬。使用は厳格に管理・監視される必要が
ある。
※青色:Access 薬、赤色:Watch 薬、灰色:Reserve 薬を示す。
※2025 年 4 月 1 日現在の分類。
(文献 12,13 より引用改変)
日本において、Access に分類される抗菌薬(以下、Access 薬)の使用量が増加、
Watch に分類される抗菌薬(以下、Watch 薬)は減少傾向にあるものの、2023 年で
も Access 薬の使用比率は 23.2%、Watch 薬の使用比率は 75.7%であり 13、WHO が
目標としている Access 薬の使用比率 60%以上 12 とは乖離があるのが現状である。
表 4 は、2025 年の AWaRe 分類から日本で歯科疾患に対して使用されている代表
的な経口抗菌薬を系統別に分類したものである。歯科で使用量が最も多い第 3 世代
セファロスポリン系抗菌薬やマクロライド系抗菌薬等は Watch に分類されているこ
とがわかる。また、現在歯科で処方される経口抗菌薬の第一選択薬であるアモキシ
シリン等のペニシリン系抗菌薬は Access に分類されている。今後、歯科においても
Watch 薬の不適正使用を減らし、Access 薬の使用割合を増やしながら、抗菌薬全体
の使用量を減らすことで AMR 対策を図っていくことが強く求められる。
10
第四版
歯科編
(2) AWaRe 分類とは
WHO は AMR 対策の一環として、公衆衛生学的なニーズに則って優先順位付けし
た医薬品リストである Essential Medical List(EML)を発表している。その中で、抗
菌薬については臨床的重要性と薬剤耐性化の危険性を考慮し、Access、Watch、
Reserve の 3 つにカテゴリーした AWaRe 分類 12 を示している(表 3)。
表 3.
AWaRe 分類※
Access
一般的な感染症に対して第一選択又は第二選択として使用される抗菌薬の
多くが含まれる。耐性化したとしても他の選択肢があるため、耐性化した際
の不利益が少ないとされている。
Watch
Access 薬で治療困難な耐性菌による感染症等、限られた疾患や適応にのみ
使用が求められる抗菌薬。これらの薬剤は重要な医療用途がある一方で、不
適切な使用が臨床上重要な薬剤耐性菌の急速な拡大につながる可能性があ
る。
Reserve
多剤耐性菌による感染症に対する治療等において、他の手段が使えなくな
った場合にのみ使用すべき抗菌薬。使用は厳格に管理・監視される必要が
ある。
※青色:Access 薬、赤色:Watch 薬、灰色:Reserve 薬を示す。
※2025 年 4 月 1 日現在の分類。
(文献 12,13 より引用改変)
日本において、Access に分類される抗菌薬(以下、Access 薬)の使用量が増加、
Watch に分類される抗菌薬(以下、Watch 薬)は減少傾向にあるものの、2023 年で
も Access 薬の使用比率は 23.2%、Watch 薬の使用比率は 75.7%であり 13、WHO が
目標としている Access 薬の使用比率 60%以上 12 とは乖離があるのが現状である。
表 4 は、2025 年の AWaRe 分類から日本で歯科疾患に対して使用されている代表
的な経口抗菌薬を系統別に分類したものである。歯科で使用量が最も多い第 3 世代
セファロスポリン系抗菌薬やマクロライド系抗菌薬等は Watch に分類されているこ
とがわかる。また、現在歯科で処方される経口抗菌薬の第一選択薬であるアモキシ
シリン等のペニシリン系抗菌薬は Access に分類されている。今後、歯科においても
Watch 薬の不適正使用を減らし、Access 薬の使用割合を増やしながら、抗菌薬全体
の使用量を減らすことで AMR 対策を図っていくことが強く求められる。
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