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民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向 (9 ページ)
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出典情報 | 民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向(7/14)《日本医師会総合政策研究機構》 |
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療養型病院では放漫経営によって経営悪化を招くパターンが一般的のように思う。
(2)建築コストの暴騰
病院の建築コストは、コロナ禍前の倍増以上と、さらに暴騰している。現行の
診療報酬制度下の損益モデルで民間病院が建替費用を賄うのは現実的に不可能
と言える。建て替え問題が5、事業売却・M&A の契機のひとつとなっている。
30~40 年前に現在の病棟を建築した病院は順次建替え時期を迎えているが、ここ
数年の物価上昇によって建築コストが 5~10 年前の倍以上の単価になってしまい、
事実上建て替え不能の状況である。たとえば、200 床の病院で 40~50 億円規模だっ
たのが 100 億円を超える規模の費用感になった。
病院の建て替え費用を現行の診療報酬制度下の損益モデルで賄うのは不可能と
言ってよい。修繕によってその場を凌ぐことになるが、その結果、修繕コストが嵩
んで利益を圧迫する事態が懸念される。最終的には建て替え自体を諦めて、事業売
却やM&Aするという流れに繋がる。
昨今の物価高騰に加え、病院経営やM&Aに影響を及ぼしうる事象としては、建築
コストの高騰が挙げられる。建て替えコストの資金もなく移転先も見つからないと
なれば、必然的にM&Aが選択肢となるし、先日都内でもそのような事例があった。
建築コストの高騰によって、建て替えを抱えている病院に対して、融資という面で
はかなり厳しい状況になっている。この状況が、第三者への承継やM&Aのトリ
ガーのひとつとなっている。
最近の病院のM&A案件は、多くが病院施設の建て替えとセットである。病院建て
替え問題は、一昔前までは移転場所や一時移転のための代替場所がないという都会
5
阿部(2025)「病院については、ここにきて施設の法定耐用年数の問題がクローズアップされている。
法律で病院建物の耐用年数は 39 年とされているが、この期限を迎える施設が相次いでいるものの、建設
費高騰や資金難で新施設の建設を断念。事業存続危機に陥るのではないか」
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(2)建築コストの暴騰
病院の建築コストは、コロナ禍前の倍増以上と、さらに暴騰している。現行の
診療報酬制度下の損益モデルで民間病院が建替費用を賄うのは現実的に不可能
と言える。建て替え問題が5、事業売却・M&A の契機のひとつとなっている。
30~40 年前に現在の病棟を建築した病院は順次建替え時期を迎えているが、ここ
数年の物価上昇によって建築コストが 5~10 年前の倍以上の単価になってしまい、
事実上建て替え不能の状況である。たとえば、200 床の病院で 40~50 億円規模だっ
たのが 100 億円を超える規模の費用感になった。
病院の建て替え費用を現行の診療報酬制度下の損益モデルで賄うのは不可能と
言ってよい。修繕によってその場を凌ぐことになるが、その結果、修繕コストが嵩
んで利益を圧迫する事態が懸念される。最終的には建て替え自体を諦めて、事業売
却やM&Aするという流れに繋がる。
昨今の物価高騰に加え、病院経営やM&Aに影響を及ぼしうる事象としては、建築
コストの高騰が挙げられる。建て替えコストの資金もなく移転先も見つからないと
なれば、必然的にM&Aが選択肢となるし、先日都内でもそのような事例があった。
建築コストの高騰によって、建て替えを抱えている病院に対して、融資という面で
はかなり厳しい状況になっている。この状況が、第三者への承継やM&Aのトリ
ガーのひとつとなっている。
最近の病院のM&A案件は、多くが病院施設の建て替えとセットである。病院建て
替え問題は、一昔前までは移転場所や一時移転のための代替場所がないという都会
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阿部(2025)「病院については、ここにきて施設の法定耐用年数の問題がクローズアップされている。
法律で病院建物の耐用年数は 39 年とされているが、この期限を迎える施設が相次いでいるものの、建設
費高騰や資金難で新施設の建設を断念。事業存続危機に陥るのではないか」
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