よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向 (16 ページ)

公開元URL
出典情報 民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向(7/14)《日本医師会総合政策研究機構》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

であるため、実際に出資(買収)に繋がるケースはさほど多くはない。


大手病院チェーンとファンドで言うと、最近ではファンドの方に勢いがある印象で
ある。今後、ゼロゼロ融資の返済開始がピークを迎えると経営不安が表面化しかね
ない。あわせて病院の再生型M&Aのあり方についても10、検討していかないとい
けなくなるのではないか。



ファンドの投資先として、急性期・高度急性期の病院というよりは、ケアミックス
や療養型の病院が主体となっている。医療や診療体制そのものの運営のプロではな
いからだと思われる。地方を投資対象にしないわけではないが、人口減少が著しい
地域は難しいとの印象である。



ファンドの投資ビジネスについて、病院を買収しブラッシュアップして出口として
他に売却というケースは昔も今もある。最近のそのようなM&A案件のほとんどが
病院施設の建替とセットである。



ファンドは買収した医療機関の運営はせず、ファイナンスをつけて事業価値を高め
てエグジットするのが前提である。超短期のファンドは医療には手を出さない。



将来病院経営をやってみたいというドクターは一定数存在しており、まずは雇われ
の理事長に据えて、経営体制を整えて、その理事長に売る形でエグジットするとい
う手法がある。その場合の資金調達手段は法人の銀行借り入れである。ファンドは
数年単位でそのようなスキームをつくり、売却額の 10 数パーセントの利益を得る
のが一般的である。



病院を運営する法人の出資持分を売買することは最近ほとんどなくなり、買収の際
に病院の土地・建物をファンドが作ったSPCが買い取り11、エグジット(売却)
の際にそれらの土地建物を病院が買い戻す形で取引が行われることが多い。

再生型 M&A とは、経営不振に陥った企業が、事業再生を目的として、M&A を活用し、外部の支援を
受けながら事業継続を目指す手法のこと。債権者も関与し、スポンサー企業や金融機関等の支援を基に、
債務整理や事業再編を進める。
11 SPC とは、Special Purpose Company の略で、特別目的会社と訳す。企業が特定の目的(例えば、資
産の流動化や M&A)のために設立する会社のことである。
10

11