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民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向 (12 ページ)

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出典情報 民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向(7/14)《日本医師会総合政策研究機構》
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2.2

病院M&A市場の動向・実態

(1)市場全体の動向とその背景事情
前節記載の諸要因によって、所在地や形態を問わず病院経営は悪化している。
そこに後継者不足や相続問題も重なり経営の抜本的な見直しを迫られるケース
もある。都市部を中心に、第三者承継や M&A の案件が増えているが、所在地
や病院形態によっては引受先を探すことができないケースも想定される。


病院・クリニック、医療法人の持分あり・持分なしを問わず、当社に持ち込まれる
M&A、第三者承継の案件は増えている。民間病院の後継者不足の加速に伴って、
第三者承継やM&Aとなる余地が広がっているのではないか。親族等の後継者がい
る病院は半数程度である。



病院全体の約7割が赤字経営で、経営環境としては大変厳しいという認識である。
全国津々浦々を実際に営業している中でも、病院単体での運営は難しく、今後あら
たな経営の道を模索しないといけないという声をよく聞く。



セグメントでいうと慢性期病院の経営が特に厳しい印象である。顧客としても慢性
期と回復期が主体で、急性期病院は少ない。病院から介護医療院への転換の案件も
ある。



最近、医療法人の出資持分の払い戻しに関わるトラブルの話をよく聞く。今後の病
院経営の悪化を見越して資産価値が高いうちに払い戻しを受けたいという事情と
推察されるが、このような事情からM&Aに繋がることもある。



介護施設も保有する医療法人が介護事業だけ切り離して売りに出すケースもある。
介護施設までマネジメントするのがしんどくなり相乗効果出せるところに譲渡す
るというケースである。



病院経営にはまだまだ改善の余地があるのでないかという見方が、M&Aを呼び込
む土台にある。まっとうに経営をすれば成り立つように診療報酬が設定されている
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