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民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向 (8 ページ)

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出典情報 民間病院をめぐる事業承継・M&Aの最新動向(7/14)《日本医師会総合政策研究機構》
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2.調査結果

本章では、調査結果について、主要論点毎に概略をまとめつつ、示している。
インタビューにおいて直接得た情報については、文中 ●ゴシック体 11 ポイント
で示した。インタビュー・メモを基に適宜言葉を補っているが、現場の臨場感と
息遣いが持つ説得力を重視し、可能な限り口語体を活かして記述した。

2.1

最近の病院経営に対する見立て

(1)人件費と物価の高騰
昨今、賃上げや働き方改革の影響によって人件費、物価高騰によって物件費が、
ともに軒並み上昇する一方で、診療報酬の単価設定の引き上げが追いついてい
ない4。そのため、病院経営の自助努力の限界が露呈している。


昨今の物価高騰により人件費、給食委託費、水道光熱費等の各種必要コストが軒並
み上昇し、経営の観点からコストアップに耐えられないという構図になっている。



診療報酬制度には単価設定の縛りがあり、売上のトップラインを自助努力で引き上
げることができない、すなわちコスト転嫁できないという、構造上の問題がある。
インフレ基調になり、各種コストが高騰すると、たちまち経営が立ちゆかなくなる。
診療報酬制度に反映されるには、少なくとも2~3年超のタイムラグがある。



総じて言えば採用経費、水道光熱費、診療材料費、食材費、委託費等、各種コスト
の上昇に診療報酬が追いついていない。ざっくり言えば、急性期病院では過剰投資、

関連記事として、信用調査会社レポートを挙げておく(阿部 2025)。「働き方改革の影響で残業代の負
担が増えている施設も多いようだ。(中略)大きな病院では 1 カ月あたりの残業代だけで億単位の経費増
となっているという噂も聞く」「経営が悪化する医療機関が増えている大きな要因として、近年高騰する
医療機器の価格、入院患者の給食費、光熱費などの経費増があるが、診療報酬の改定推移をみると、それ
らの上昇分をまかなうにはほど遠い変動率となっている」

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