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2025年05月16日【厚労省保険局へ要望】全ての看護職員の処遇改善につながる財政支援を要望 (8 ページ)

公開元URL https://www.nurse.or.jp/home/assets/20250516_nl01.pdf
出典情報 厚労省保険局へ要望 全ての看護職員の処遇改善につながる財政支援を要望(5/16)《日本看護協会》
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Ⅰ-1-4

療養病棟における夜間看護提供体制の強化

• 療養病棟入院基本料の夜間看護加算等について、看護職員2名以上で対応している場合に一段
高い評価をされたい。ただし、その場合に月平均夜勤時間72時間以下を満たすことを要件に
追加する等、労働負荷の強化にならないように配慮されたい。


療養病棟(入院料1)の中でも、医療依存度の高い患者を多く受け入れている病棟では、夜間も看護職員を複数名配置し、安全に医療ケア
を提供しながら、急性期治療後も継続的な医療を必要とする患者や、病状が悪化した患者の地域からの受け皿として、重要な役割を果た
している。



日本看護協会が令和6年度に実施した「療養病棟入院基本料1を算定しているDiNQL参加病棟における夜勤帯の看護実態調査」では、療養
病棟入院料1の看護職員配置の中央値は15.3対1と、基準の20対1を大きく上回る配置だった(病床機能報告データでも平均14.3対1)。夜
勤帯の配置基準は看護要員が計2名以上のところ、58%の病棟で看護職員を2名以上配置して対応していた。



夜勤帯に看護職員を2名以上配置している病棟では医療区分3の患者割合が高い傾向であり、夜勤帯に看護職員により実施された医療ケア
(静脈内注射、血糖測定等)の回数も、看護職員2名未満の病棟に比べて有意に高かった。さらに同病棟では入院患者の入棟前の場所及び
退棟先として「他の病院、診療所」の割合が有意に高く、地域からの受け皿として機能を果たしている。



療養病棟において重症度の高い患者への対応や他医療機関からの受け入れ等に対応するためにも、看護職員2名以上で対応している場合に
ついては、一段高い加算による評価を要望する。

■療養病棟入院料1の看護職員数の実際の人員配置数の中央値は15.3対1。夜勤帯の看護職員配置数は2名以上の病棟が58%(※1)。
病床機能報告データを用いて分析した結果(※2)でも、患者対看護師比率の平均値は14.3±9.1であり、同様に基準を大きく上回っている。
療養病棟入院基本料1を算定しているDiNQL参加病棟における夜勤帯の看護実態調査(日本看護協会)
■夜勤帯の看護職員配置数が2名以上の病棟では、医療区分3の患者割合が ※1
※2 日本看護協会・東京大学共同研究,「療養病床における看護職配置等の実態把握調査(暫定値)」(2024)
高い傾向。夜勤帯の医療ケア(静脈内注射、血糖測定等)の実施回数が
有意に多く、全身状態が不安定な重症度の高い患者の医療ケアや喀痰吸引、
■夜勤帯の看護職員配置数が2名以上の病棟の方が、入院患者の入棟前
体位交換等を安全に実施するために、看護職員2名以上が対応していた。
の場所及び退棟先の割合は「他の病院、診療所」が有意に高い。
図表1 夜勤帯の看護職員配置数別 ケア回数等の違い
夜勤帯の看護職員配置 (n=81病棟)
2名以上
2名未満
項目
(47病棟)
(34病棟)
P値
件数 中央値 件数 中央値
看護職員の実際の人員配置(●対1)
30
12.4
24
16.9
*
1人あたり月平均夜勤時間数(時間)
28
79.9
20
72.9 NS
医療区分3(疾患・状態)の患者割合(%)
30
6.5
26
2.5 NS
医療区分3(処置等)の患者割合(%)
30
30.9
26
25.4 NS
*
47
3.0
34
2.0
夜 静脈内注射(点滴交換を含む)
ケ 勤 血糖測定
*
47
4.0
34
3.0
ア帯
*
インスリン注射
47
3.0
34
1.0
回に
47
21.0
34
12.0 **
数 実 経管栄養(経鼻、胃ろう、腸ろう含む)
( 施 喀痰吸引
*
47
65.0
34
33.5
回 し 与薬(注射薬以外)
*
47
54.0
34
28.5
) た 体位変換
47
95.0
34
57.5 **

* * :<0..01, *:<0.05, NS:有意差なし
出典:療養病棟入院基本料1を算定しているDiNQL参加病棟における夜勤帯の看護実態調査(日本看護協会)

図表2

夜勤帯の看護職員配置数別

入棟前・退棟先の違い

(療養病棟調査と令和5年度病床機能報告公表データの病棟票[様式1]を突合し、
病棟が一致するもののみ分析対象とした)

項目
(病床機能報告公表データ
病棟票[様式1])

夜勤帯の看護職員配置(n=71病棟)
2名以上
2名未満
(40病棟) (31病棟)
P値
件数 中央値 件数 中央値

入棟前 他の病院、診療所からの転院割合
の場所 介護施設、福祉施設からの入院割合

39

25.5

31

11.7

*

39

1.5

31

0.8

NS

他の病院、診療所へ転院割合

35

8.0

31

3.4

**

退棟先 介護老人福祉施設に入所割合

35

3.6

31

6.5

*

35

56.8

31

49.4

NS

終了(死亡退院等)割合

* * :<0..01, *:<0.05, NS:有意差なし
出典:療養病棟入院基本料1を算定しているDiNQL参加病棟における夜勤帯の看護実態調査
(日本看護協会)と令和5年度病床機能報告

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