令和 7年5月13日

厚生労働省
保険局長鹿沼均殿
会

公益社団法人日本看護協会
長高橋弘

風

医療機関、訪問看護事業所が物価高騰・賃金上昇に対応するための
診療報酬における財源確保に関する要望
食費・光熱費や材料費等、あらゆるコストの上昇により、医療機関や訪問看護事業所
の経営状況が逼迫しています。社会全体では賃上げの動きが広まっており、本年も
2024年に続き高い水準の賃上げが行われると予測されていますが、本会調査によれ
ぱ、2024年度の看護師基本給の前年度比賃金増率はわずか 1.1%増に留まり、他産
業並みの賃上げには遠く及ばない状況です。このままでは、看護職員をはじめとした
医療従事者が他産業へさらに流出し、人材不足に拍車がかかることが懸念されます。
令和 6年度診療報酬改定においてべースアッフ評価料が新設されたものの、算定
施設に勤務していても賞与が減ったと回答した看護師は約3割にのぼる等、実効的な
処遇改善にっながっていない可育目陛があります。厳しい環境にある医療従事者の労
働に報いるためにも、全ての看護職員の着実な処遇改善につながる診療報酬上の財
政支援が早急に必要です。

安心・安全な医療提供や療養の継続のため、また適切な賃上げを可能とするため、
医療機関、訪問看護事業所の経営基盤の安定は喫緊の課題であり、国においては、

社会保障予算の財政フレームを見直すとともに、補助金による対応、物価・賃金上昇
の局面に対応できるための診療報酬上の仕組みの導入等に果断に取弊且むことが求
められます。

つきましては、下記3点について、強く要望します。
要望事項

診療報酬の期中改定も視野に、看護職員をはじめ医療従事者の賃金上昇に
結び付く財政支援をされたい。

社会保障予算の伸びを高齢化の伸びの範囲内に抑制するという現在の
財政フレームを見直されたい。

診療報酬に、物価・賃金上昇に柔軟に対応した運用ができる仕組みを導入
されたい。