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2025年05月16日【厚労省保険局へ要望】全ての看護職員の処遇改善につながる財政支援を要望 (20 ページ)

公開元URL https://www.nurse.or.jp/home/assets/20250516_nl01.pdf
出典情報 厚労省保険局へ要望 全ての看護職員の処遇改善につながる財政支援を要望(5/16)《日本看護協会》
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重度認知症の患者への入退院支援の強化

Ⅰ-4-2

• 重度認知症で入院する患者に対して、入院時アセスメントの実施および退院後の支援者となる
家族や介護施設の介護職員等への情報共有や助言等を実施することについて、精神科入退院
支援加算の中で一段高く評価されたい。


高齢化の進展とともに、認知症の人の人数が増加している。BPSD等の症状が強いために自宅や介護施設での対応が困難となった認知症
高齢者が精神科病床に入院する場合があるが、1年以上精神科病床に入院している者が半数以上を占めるなど、認知症の患者の長期入院
が課題となっている。



精神科に入院している認知症の患者では、暴力・暴言や幻覚・妄想、徘徊等の強い症状がある患者が多く、早期退院につなげるには早期
の症状改善が必要である。既に取組みを進めている病院では、入院時に患者の認知機能や対応方法等をアセスメントし、入院直後から
多職種が対応方法を統一してケアにあたることで、3ヶ月以内の早期退院を実現し、隔離・拘束日数の短縮等の効果が得られている。
また、家族や介護施設の職員が安心して受入られるよう、情報共有を詳細に行うことが重要である。



認知症の患者の入退院支援のさらなる充実に向け、入院時のアセスメントの実施や、家族・介護施設の介護職員への情報提供を手厚く
行った際に、精神科入退院支援加算の中で一段高く評価することを要望する。

■入院が長期化し、1年以上の患者が半数以上
図表1

■重症な患者でも、入院早期にアセスメントを実施し、多職種で集中的な対応を行うことで、
すみやかに状態を改善

精神科の認知症の入院患者の在院期間
3%

1%
9%

0%

図表3

1ヶ月未満

(点)40

1ヶ月以上3ヶ月未満

9%

3ヶ月以上6か月未満
1年以上5年未満
12%

38%

5年以上10年未満
10年以上20年未満

14%

20年以上
不明

出典:厚生労働省:令和6年度630調査、国立精神・神経医療研究センターHP

図表2

A病院の認知症の入院患者の入院時の症状

暴力(他者への乱暴な行い)

29%
29%

睡眠障害(不眠)

26%

暴言(大声)

24%

妄想
19%

幻覚
14%

食行動異常(異食)
9%

不潔行為(異所排尿、弄便)
不安

8%

徘徊

7%
5%

抑うつ
せん妄

38.8
行入
35 い 院
、直

30


25 が 計
短画
20 期 に
間沿
15 で っ
大た

10 に 対

改を
善 入院時

1%

【多職種による集中的なケアの内容】
• 睡眠、栄養、排泄、疼痛など、症状を誘発している問題点の発見と、
改善に向けた働きかけ(脱水や栄養の補正、光療法、作業療法、
清潔保持、疼痛緩和、排便コントロール等)
• 薬物療法(退院後も見据えた内服薬等の慎重な調整)
• 非薬物療法(パーソンセンタードケア、バリデーションテクニック等)
• ケア提供者の安全を守りつつケアを提供する技術(CVPPP等)

BPSD

6か月以上1年未満

14%

(n=12)
A病院の直近1ヶ月間に退院した患者の症状の改善度(NPI-NHの平均点数の推移)

(n=100 複数回答)

出典:精神科病院における認知症患者への看護実践に関する実態把握(日本看護協会)

入院時ア
セスメン
ト・計画

入院時、認定看
護師が認知機
能、残存能力や
症状誘引因子、
原 因 等を アセ ス
メント、初期計
画を立案

19.5

10.5

1週間後

1か月後

評価・
多職種
カンファ

評価・
多職種
カンファ

評価

面談

面談

面談(適宜) 退院

入院中の身体・精神面の
症状や治療状況に基づき、
多職種で症状と治療法に
ついて評価、必要時計画
を修正

2か月後

3か月後

退院に向けて、患者・家族
(介護者)と定期的に面
談し、患者の情報や対応方
法を子細に実演・共有、退
院に向けた具体的な準備

「入院時アセスメント」を導入したことで、
入院後すぐのケア方法の統一や職員の
意識変容が促進された。
【効果】
➢ 入院当日の隔離が減少
➢ 隔離、拘束日数の短縮(月平均
拘束16.5日→8日)
➢ BPSD症状に備えた個室管理期
間の短縮(10日→3日)
➢ 病床利用率UP(70%→85%)

出典:精神科病院における認知症患者への看護実践に関する実態把握(日本看護協会)

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