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独居認知症高齢者の自立生活を支える訪問看護の実践ガイド (22 ページ)
出典
公開元URL | https://www.tmghig.jp/research/publication/houmon-kango/ |
出典情報 | 独居認知症高齢者の自立生活を支える訪問看護の実践ガイド(4/8)《東京都健康長寿医療センター》 |
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STEP 4 ■ 予測的判断と意思決定支援
16
リスク対策の優先順位
実践のためのヒント
「本人の意向を尊重して注意深く見守りながら、
安全・健康のリスクの観点からすぐに介入が必要なことを判断する」
3 利用者の視点から判断
1 注意深く見守る
利用者の普段の生活パターンや、そこに潜む安
は障害物に見えても、そこで座って一休みするた
して変化の兆候を早期に発見します
(項目10参
断で片付けたり、独断でポータブルトイレを導入
参照)
。定期訪問では、
利用者の心身の状態を確認
Scene
ひとり暮らしをするCさん
(75歳・女性・軽度認知症)
は料理にこだわりがあります。
今は凝ったものは作りませんが一汁一菜を合言葉に毎日自炊しています。
しかし、先
照)
。
75歳女性
(軽度認知症)
したり、環境を変えてしまうと、利用者が混乱して、
ば安全が維持できるか、利用者と相談しながら、利
また、会話中に言葉が見つからないことが増え、認知機能低下が進行しています。Cさ
2 緊急性の見極め
アマネジャーや介護職からも情報を集めて状況を確認した上で、Cさんとガスコンロ
例えば、布団にタバコの焦げ跡が複数ある場合
の使用と安全管理について話し合いを持とうと考えています。
めに置いてあることもあります。また、支援者の判
逆に安全が損なわれる場合もあります。どうすれ
日訪問した時、Cさんはガスコンロを消し忘れたままリビングルームに戻っていました。
んは
「大丈夫」
と指摘を軽く受け流しますが、やはり気がかりです。次の訪問までにケ
居室からトイレへの動線上にある棚が、他者に
全や健康のリスクを観察して把握します
(項目7・8
用者の視点に立って介入の必要性を判断します。
や糖尿病のコントロール不良にもかかわらず大量
の菓子パンを買い込んでいる場合などは、すぐに
介入が必要です。放置すると事故や疾患が起きる
可能性がどの程度あるか考えて、緊急性を見極め
ます。
本人は大丈夫と
言っているけど、
そろそろ介入が必要…
わかりました
ガスのつけっぱなし
にはくれぐれも
注意してください
期待される効果
利用者が望む生活を自立的に送ることは、精神的な安定につながります。同時に、安全・健康のリスク
項目の説明
独居認知症高齢者の訪問看護では、利用者が望む生活を支えると同時に安全性や健康リスクを考
慮して介入を行うことが必要です。時には、利用者本人が認識していないリスクへの対策や、やむを
を予防的に対策することで、事故や健康問題の発生を防ぎ、ひとり暮らしを継続することができます。
課題と注意事項
得ず本人が望まない介入をする場合もあります。利用者の意向を尊重することを基本に状況を見守り
ながらも、安全や健康を脅かす緊急性の高いリスクがないか、慎重かつ適時の判断が求められます。
介入の判断基準は訪問看護師によって違いが出ますし、介入が必要なタイミング
は状況によっても異なります。訪問看護師同士で相談して看護計画を見直したり、多
この項目がなぜ大切か
認知機能が低下すると、
自分の健康状態や安全性を完全に把握できない場合が増えるため、適切なサポートが欠かせま
職種チームで情報共有したりして、より適切な判断基準を持てるよう努めます。支援
者が心配に思うあまり、不必要に介入し、有害無益な結果になってしまわないために、
利用者と一緒に考え、調整していくことが大切です。
せん。訪問看護師は、利用者の希望する生活を支えながら、危険な状態が発生する前に予防的に介入します。利用者の自
尊心や生活の質を維持しながら、事故や健康問題のリスクを最小限に抑えることが大切です。
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リスク対策の優先順位
実践のためのヒント
「本人の意向を尊重して注意深く見守りながら、
安全・健康のリスクの観点からすぐに介入が必要なことを判断する」
3 利用者の視点から判断
1 注意深く見守る
利用者の普段の生活パターンや、そこに潜む安
は障害物に見えても、そこで座って一休みするた
して変化の兆候を早期に発見します
(項目10参
断で片付けたり、独断でポータブルトイレを導入
参照)
。定期訪問では、
利用者の心身の状態を確認
Scene
ひとり暮らしをするCさん
(75歳・女性・軽度認知症)
は料理にこだわりがあります。
今は凝ったものは作りませんが一汁一菜を合言葉に毎日自炊しています。
しかし、先
照)
。
75歳女性
(軽度認知症)
したり、環境を変えてしまうと、利用者が混乱して、
ば安全が維持できるか、利用者と相談しながら、利
また、会話中に言葉が見つからないことが増え、認知機能低下が進行しています。Cさ
2 緊急性の見極め
アマネジャーや介護職からも情報を集めて状況を確認した上で、Cさんとガスコンロ
例えば、布団にタバコの焦げ跡が複数ある場合
の使用と安全管理について話し合いを持とうと考えています。
めに置いてあることもあります。また、支援者の判
逆に安全が損なわれる場合もあります。どうすれ
日訪問した時、Cさんはガスコンロを消し忘れたままリビングルームに戻っていました。
んは
「大丈夫」
と指摘を軽く受け流しますが、やはり気がかりです。次の訪問までにケ
居室からトイレへの動線上にある棚が、他者に
全や健康のリスクを観察して把握します
(項目7・8
用者の視点に立って介入の必要性を判断します。
や糖尿病のコントロール不良にもかかわらず大量
の菓子パンを買い込んでいる場合などは、すぐに
介入が必要です。放置すると事故や疾患が起きる
可能性がどの程度あるか考えて、緊急性を見極め
ます。
本人は大丈夫と
言っているけど、
そろそろ介入が必要…
わかりました
ガスのつけっぱなし
にはくれぐれも
注意してください
期待される効果
利用者が望む生活を自立的に送ることは、精神的な安定につながります。同時に、安全・健康のリスク
項目の説明
独居認知症高齢者の訪問看護では、利用者が望む生活を支えると同時に安全性や健康リスクを考
慮して介入を行うことが必要です。時には、利用者本人が認識していないリスクへの対策や、やむを
を予防的に対策することで、事故や健康問題の発生を防ぎ、ひとり暮らしを継続することができます。
課題と注意事項
得ず本人が望まない介入をする場合もあります。利用者の意向を尊重することを基本に状況を見守り
ながらも、安全や健康を脅かす緊急性の高いリスクがないか、慎重かつ適時の判断が求められます。
介入の判断基準は訪問看護師によって違いが出ますし、介入が必要なタイミング
は状況によっても異なります。訪問看護師同士で相談して看護計画を見直したり、多
この項目がなぜ大切か
認知機能が低下すると、
自分の健康状態や安全性を完全に把握できない場合が増えるため、適切なサポートが欠かせま
職種チームで情報共有したりして、より適切な判断基準を持てるよう努めます。支援
者が心配に思うあまり、不必要に介入し、有害無益な結果になってしまわないために、
利用者と一緒に考え、調整していくことが大切です。
せん。訪問看護師は、利用者の希望する生活を支えながら、危険な状態が発生する前に予防的に介入します。利用者の自
尊心や生活の質を維持しながら、事故や健康問題のリスクを最小限に抑えることが大切です。
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