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独居認知症高齢者の自立生活を支える訪問看護の実践ガイド (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.tmghig.jp/research/publication/houmon-kango/ |
出典情報 | 独居認知症高齢者の自立生活を支える訪問看護の実践ガイド(4/8)《東京都健康長寿医療センター》 |
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STEP 2 ■ 本人理解と生活アセスメント
7
生活の様子
実践のためのヒント
「本人がひとりでいる時を含む普段の生活の様子
(活動範囲や習慣的行動など)
を他の支援者からの情報と
重ね合わせて把握する」
1 複数の情報源を用いる
定期訪問での直接観察や本人からの聞き取り
ひとり暮らしを続けるBさん
(86歳・男性・軽度認知症)
の希望により、午後に訪問を
しています。時折、少し早めに訪問すると不在にしていることがあります。近所を捜す
と、決まってどこかから帰宅するBさんに出くわします。昼食を食べに出かける行きつ
睡眠や起床、
食事、
入浴など、
基本的な生活リズ
だけでなく、家族や近所の人から聞き取ったり、
ケ
ムに加えて、買い物や外食などのために決まって
り、
より多くの情報を多角的に集めます。また、買
しを構成する自宅内外での習慣的な活動を把握し
べ物の袋など、生活の中に意図せず残された記録
と、
支援のヒントが得られます。
アマネジャーや介護職と定期的に情報共有をした
Scene
2 重点的な観察項目
い物のレシート
(の時間)
やゴミ箱に入っている食
が貴重な情報源になることがあります。
行く場所と時間帯、
そのための移動手段など、
暮ら
ます。
また、
来訪者や近所との交流の様子も分かる
けのそば屋さんがあるそうです。Bさんと一緒に歩きながら、何曜日に行くのか、お店
86歳男性
(軽度認知症)
では何を食べるのか、いつもひとりで行くのか、などと会話が弾みます。
ちょうど好きな
そば屋から
帰ってきたところです
ひとりでいるときの
暮らしぶりをもっと
よく知りたい…
おそば屋さん、
何曜日に行くとか
決めているのですか?
期待される効果
普段の生活の様子を把握することは、利用者の自立生活を尊重すること、生活に合わせて適切な支援
のタイミングや方法を選定すること、事故やトラブルを予防することにつながります。それらは独居生活
項目の説明
独居生活を送る認知症のある利用者が、普段どのように暮らしているのか、特にひとりでいる時間帯
を含めた生活パターンや、活動範囲、習慣的な行動を把握する重要性を示した事例です。訪問看護師が
持つ情報は限られるため、他の支援者からの情報を集約して、利用者の生活についてなるべく広範にわ
たり把握するように努め、より確かな理解につなげます。
をより長く続けるための支援になります。
課題と注意事項
プライバシーへの配慮と情報収集のバランスには注意する必要があります。特に近
所の人や友人などから情報を得る場合には、本人の同意を得た範囲内で情報収集しま
す。利用者と家族との関係性によっては、家族からの情報収集も本人の同意を得る必
この項目がなぜ大切か
利用者にとって、
自分ができることを自分で行い、欲しい時に欲しい支援を利用することができる生活が理想的です。
し
かし、
ひとりで過ごす時間が長い認知症高齢者の生活は見えにくく、様々な生活支援ニーズが見逃されやすいことが知ら
れます。訪問看護師は、利用者の普段の暮らしのパターンを具体的に把握します。これによって、
自立生活を見守りながら、
要があるでしょう。チェックリストの項目2・3にある本人の了承や相互の信頼関係を常
に意識して、
取り組むことが大切です。
例えば夜にひとりで自宅にいる時間など、24時間の生活を全て把握することは不可
能です。家族の協力が得られるなど、把握する手段があれば、安全や健康維持に必要な
情報に焦点を絞って確認します。
適切なタイミングや方法で支援を提供することが可能になります。
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生活の様子
実践のためのヒント
「本人がひとりでいる時を含む普段の生活の様子
(活動範囲や習慣的行動など)
を他の支援者からの情報と
重ね合わせて把握する」
1 複数の情報源を用いる
定期訪問での直接観察や本人からの聞き取り
ひとり暮らしを続けるBさん
(86歳・男性・軽度認知症)
の希望により、午後に訪問を
しています。時折、少し早めに訪問すると不在にしていることがあります。近所を捜す
と、決まってどこかから帰宅するBさんに出くわします。昼食を食べに出かける行きつ
睡眠や起床、
食事、
入浴など、
基本的な生活リズ
だけでなく、家族や近所の人から聞き取ったり、
ケ
ムに加えて、買い物や外食などのために決まって
り、
より多くの情報を多角的に集めます。また、買
しを構成する自宅内外での習慣的な活動を把握し
べ物の袋など、生活の中に意図せず残された記録
と、
支援のヒントが得られます。
アマネジャーや介護職と定期的に情報共有をした
Scene
2 重点的な観察項目
い物のレシート
(の時間)
やゴミ箱に入っている食
が貴重な情報源になることがあります。
行く場所と時間帯、
そのための移動手段など、
暮ら
ます。
また、
来訪者や近所との交流の様子も分かる
けのそば屋さんがあるそうです。Bさんと一緒に歩きながら、何曜日に行くのか、お店
86歳男性
(軽度認知症)
では何を食べるのか、いつもひとりで行くのか、などと会話が弾みます。
ちょうど好きな
そば屋から
帰ってきたところです
ひとりでいるときの
暮らしぶりをもっと
よく知りたい…
おそば屋さん、
何曜日に行くとか
決めているのですか?
期待される効果
普段の生活の様子を把握することは、利用者の自立生活を尊重すること、生活に合わせて適切な支援
のタイミングや方法を選定すること、事故やトラブルを予防することにつながります。それらは独居生活
項目の説明
独居生活を送る認知症のある利用者が、普段どのように暮らしているのか、特にひとりでいる時間帯
を含めた生活パターンや、活動範囲、習慣的な行動を把握する重要性を示した事例です。訪問看護師が
持つ情報は限られるため、他の支援者からの情報を集約して、利用者の生活についてなるべく広範にわ
たり把握するように努め、より確かな理解につなげます。
をより長く続けるための支援になります。
課題と注意事項
プライバシーへの配慮と情報収集のバランスには注意する必要があります。特に近
所の人や友人などから情報を得る場合には、本人の同意を得た範囲内で情報収集しま
す。利用者と家族との関係性によっては、家族からの情報収集も本人の同意を得る必
この項目がなぜ大切か
利用者にとって、
自分ができることを自分で行い、欲しい時に欲しい支援を利用することができる生活が理想的です。
し
かし、
ひとりで過ごす時間が長い認知症高齢者の生活は見えにくく、様々な生活支援ニーズが見逃されやすいことが知ら
れます。訪問看護師は、利用者の普段の暮らしのパターンを具体的に把握します。これによって、
自立生活を見守りながら、
要があるでしょう。チェックリストの項目2・3にある本人の了承や相互の信頼関係を常
に意識して、
取り組むことが大切です。
例えば夜にひとりで自宅にいる時間など、24時間の生活を全て把握することは不可
能です。家族の協力が得られるなど、把握する手段があれば、安全や健康維持に必要な
情報に焦点を絞って確認します。
適切なタイミングや方法で支援を提供することが可能になります。
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