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令和6年度予算の編成等に関する建議 参考資料(2) (128 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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雇用調整助成金制度①(見直しの方向性)

資料Ⅱ-1-128

○ 雇用調整助成金は、危機時の雇用維持に一定の効果を発揮する一方、健全な労働移動や労働者のスキルアップを阻害する一
面もある。とりわけ、コロナ禍における特例対応の長期化によって、この懸念は顕著になった。
○ 今後人口減少が進み、構造的に人手不足が深刻化していくと考えられる中で、労働市場の流動性を高め、個々の労働者が主体
的に成長分野に移動できる環境整備が雇用の安定の観点からもより重要となる。
(%)

人手不足

6.0
5.0

①酒井正(法政大学経済学部准教授)

644万人

労働需要

雇用調整助成金等
による抑制効果
2.6%ポイント程度
抑制

完全失業率平均
(2.9%)

4.0

◆雇用調整助成金に関する研究・意見

◆人手不足の将来推計

◆失業抑制効果

7,073万人

労働供給

6,429万人

(万人)

3.0

「大いに活用されて来た雇調金の特例措置であるが、それが長期にわたる
なかで、さまざまな懸念も指摘されるようになっていた。長期間の休業による
労働者の就業意欲の低下や、企業による不正受給の問題も看過できな
いが、最も大きな批判は、雇調金が経済のダイナミズムを失わせていると
いうものだろう。もともと雇調金には、失業の未然の防止に資する一方で、
ゾンビ企業を延命することで産業の新陳代謝を遅らせ、本来行われるべ
き労働移動を阻害してしまうとの批判が常につきまとってきた。」

労働
需要

労働
供給

余剰/
不足

サービス

2,101

1701

▲400

医療・福祉

1,367

1,180

▲187

卸売・小売

1,129

1,070

▲60

製造業

810

771

▲38

通信・サービス

206

175

▲31

教育

203

176

▲28

運輸・郵便

392

372

▲21

③星野卓也(第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト)

250

電力・ガス・水道

62

55

▲7

200

公務

185

181

▲4

150

農林水産業、鉱業

115

117

+2

金融・保険、不動産

228

258

+30

「より議論が交わされるべきなのは、「危機時」ではなくコロナ後の「平時」
における雇用調整助成金の在り方だろう。待遇の向上する良い労働移動
が実現しやすい平時・好況期にこそ、既存雇用を延命する雇用調整助成
金よりも労働移動の促進に重きが置かれるべきである。」

2.0
1.0
0.0

2020年4~10月

(出所) 厚生労働省「労働経済の分析」(令和3年7月)

◆転職者の推移
(万人)
400
350
300

100
50
0

H14 15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

(出所)総務省「労働力調査(詳細集計)」

25

26

27

28

29

30 R元

②星岳雄(東京大学大学院経済学研究科教授)
「この制度は、変化に対応するための雇用調整を助成するのではなく、抜
本的な雇用調整を行わずに休業などにより切り抜けようとする企業のた
めの給付金である。(中略)問題は雇用を守ろうとすること自体ではなく、
その目的を企業の保護によって達成しようとすることだ。 (中略)労働者
が古い企業から新しい企業にスムーズに移動できれば、企業を守ること
なく雇用を守ることはできる。」

(出所)①玄田 有史、連合総研編 『セーフティネットと集団』(2023年5月24日)(抄)
②日本経済新聞(2020年8月6日)『未来先取りの改革、今度こそ アフターコロナを探る』(抄)
③第一生命経済研究所 『コロナ禍が明らかにした失業者救済措置の課題』 (2022年2月25日)(抄)
(出所)パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030」(2018年2月21日公表)
2

3

4

建設

275

374

+99

【改革の方向性】(案)
○ 三位一体の労働市場改革の観点も踏まえ、雇用・労働施策の在り方を整理し、休業による雇用維持に重きを置いた現行の雇用調
整助成金制度の見直しを含め、労働移動の円滑化・労働者のスキルアップに資する施策を強化していくべき。
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